女性の社会進出がめざましい昨今、二輪モータースポーツの世界でも女性の活躍が注目されています。MFJはオーバカナル紀尾井町(東京都千代田区)で「女性のモーターサイクルスポーツ」の活躍をメディアに発信する記者懇談会を開催しました。
冒頭、大島裕志MFJ会長より「全日本モトクロスでは2006年から、全日本トライアルは今年2016年からレディースクラスを開設する。ロードでは2008年からレディースロードレースを開催、全日本ロードレースは男性に混じって女性ライダーが活躍している。また、レース以外でもピットクルーやオフィシャルとしてレースに関わっている女性がたくさんいる。
世界ではFIM(国際モーターサイクリズム連盟)が女性委員会を設置、女性のレースやトレーニング、ツーリングなどの活動を支えて今年で10周年を迎える。昨年、モリワキエンジニアリングの森脇緑さんが日本人初のFIM女性員に選ばれた。
日本でもFIMの動きと連携して森脇さんを中心に国内の女性レースの将来ビジョンを組み立てていきたい」とご挨拶がありました。
出席したのは、全日本ロードレースJ-GP3クラス:岡崎静夏選手、全日本モトクロスレディースクラス2015年チャンピオン:安原さや選手、全日本トライアルレディースクラス:小玉絵理加選手、FIM女性委員/モリワキエンジニアリング:森脇緑さんの4名。各々、自分の想いと展望を述べました。
岡崎静夏選手
ここ数年ランキングは少しずつ上がってきているけどまだ表彰台も優勝もないのでもっともっと努力しないといけないと思います。10代の頃は「レースは気合いと根性だ」と考えていたけど、ここ数年は決勝レースは何が何でもチェッカーを受けなくてはならない、そのためのマシンセッティングであり、フィジカル/メンタルトレーニングであり、レースは技術勝負だと気づいてからレースが楽しくて仕方ないです。今の生活の中心にレースがあります。ハイサイドしてる夢をみて目覚めることもあります(笑)男性に比べれば筋力の差があることは明らか。だから効率良く筋力を使う事が必要だと気づきました。バイクを操るためにどこの筋肉が必要か、どこの筋肉にチカラを入れれば良いのかを意識するようになりました。楽しいレースで結果を出せるように頑張ります。
安原さや選手
チャンピオンを獲れる獲れると周りから言われ続けたことが知らず知らずにプレッシャーとなって結果を出せずに悩んでいるときにお世話になっているスポンサーに相談した際に、結果は気にせずバイクを楽しむことをを心掛けることが大切だと気づきました。それがチャンピオン獲得に繋がったような気がします。現在モトクロスのレディースクラスには40〜50名のライダーがいてみんな仲が良いです。いつもワイワイやっていますがレースになればみなライバル、そのメリハリが良いと思います。チャンピオン獲得というひとつの区切りができたので、一度は諦めた大学進学にチャレンジ、この4月から女子大生になります。24歳の新入生に友達ができるか心配でレースのスタートよりも緊張しています。
小玉絵理加選手
一番早く開幕戦を迎えました。今年からレディースクラスができて記念すべき開幕戦、凄く嬉しかったのですが4位と不甲斐ない結果でした。この悔しさを糧に優勝を目標に頑張ります。現在トライアルを闘う女性ライダーは6名。選手会長としてトライアルの女性ライダーをもっと増やしたい、そのためには何をすべきかを考えて行きたいと思います。レディースクラス創設を各方面に働きかけて今年誕生したことがとても嬉しく思います。
森脇緑さん
ライダーを支える基盤を・屋台骨を作るのが私たちマネージメントの仕事です。男女、ON/OFFを問わずライダーたちと正面から向き合い、尊敬し、どうやってチームの中で羽ばたかせるか、トップに立てるように才能を引き出すか、そこを考えています。2014年、6月末に承諾して7月末に女性の鈴鹿4耐チームで参戦をしました。世界で頑張っている女性ライダー、努力をしているライダーたちに何かしらのチャンスを与えたい、と思ったのがきっかけでFIM女性委員になりました。プレッシャーに負けることなくリラックスした状態で世界の舞台で活躍できるライダーを育てる階段を作っていきたいと思います。
バイクに乗っている女性はカッコイイです。男性顔負けのアグレッシブな走りをする彼女たち。でもその中身は可愛らしい女の子です。そんな彼女たちの活躍を祈念して止みませんし応援していきたいと思います。
photo & text : koma