2018全日本ロードレース開幕戦 公式予選&レース1

2018/04/08

中須賀克行ダブルポール獲得!さらにレース1優勝!2位にTeam HRC高橋巧、3位モリワキ清成龍一

全日本ロードレース開幕戦「SUPERBIKE RACE in MOTEGI」の公式予選と決勝レース1が開催された。

中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)がレース1、レース2のポールポジションを獲得。さらに公式予選の後に行われた決勝レース1では圧倒的な速さで優勝を飾る。2位には今年ワークスとして復活したTeam HRCの高橋巧、そして3位にはMORIWAKI MOTUL RACINGの清成龍一が表彰台に登った。

今大会は2レースのため、決勝レースのグリッド決定方式が従来とは異なる。決勝レース1のグリッドは、各ライダーのベストラップタイムにより決定する。 決勝レース2のグリッドは、各ライダーのセカンドラップタイムにより決定する。中須賀は安定したタイムで周回、レース1、レース2のダブルポールを獲得した。

土曜日も朝から冷たい雨が落ちてくる。天気予報では曇り、しかしJSB1000クラスの予選が始まる9:30になっても雨は止まずウェットコンディションの中での公式予選となった。このレースウィークで初めてのウェット。決勝レースも雨が予想されたため各車積極的にコースインする。終盤、雨脚が若干弱くなってきたコンディションでピレリタイヤを装着する星野知也(TONE RT SYNCEDGE4413)が58秒台に入れる1 分58秒958のタイムでトップに立った。しかしその直後津田拓也(ヨシムラスズキMOTULレーシング)がわずか100分の3秒差の1分59秒926でトップに立つ。さらに、チェッカーが振られたファイナルラップに中須賀が1分58秒077のタイムで逆転ポールポジションを獲得した。

各ライダーのセカンドラップタイムで決まるレース2のグリッドも中須賀がポールポジションを獲得。2番グリッドは同じヤマハファクトリーの野左根航汰、3番グリッドは津田であった。

公式予選が終わってからわずか3時間半後の午後2時、23周による決勝レース1がスタート!

ホールショットは津田が奪う。しかし3コーナー入口で中須賀がトップを奪い、さらに高橋巧が5コーナー進入で津田のインサイドから2番手に浮上する。高橋はその先のV字コーナーで中須賀をかわすとオープニングラップを制する。以下、中須賀、星野、高橋裕紀(MORIWAKI MOTUL RACING)、野左根、津田、津田一磨(Team Baby Face)、渡辺一樹(ヨシムラスズキMOTULレーシング)、清成、山口辰也(Team SuP Dream Honda)の上位10台。

ここで清成がとんでもないペースで追い上げる。2周目2分00秒105から3周目に1分54秒772と約6秒もタイムアップ。しかもそのタイムは2周目の5コーナー進入でトップに立った中須賀より3秒も速い。「自分のスタイルもそうだけどマシンやセットアップが序盤にペースを上げやすいパッケージ。だからここで勝負をかけた」と清成。9位でオープニングラップを通過したのに4周目のヘアピンで中須賀のインからトップに浮上。モリワキが最高峰クラスに復帰してから初めて決勝レースでトップに立った。

トップ清成、2番手中須賀、3番手高橋巧、その後方には高橋裕紀がつける。高橋裕紀は昨年最終戦直後に右肩の手術(脱臼しやすい)を行い開幕戦には間に合わせる予定だったが事前テストで悪化させてしまい右腕が思うとおりに動かない状態。しかし予選では4番グリッドを獲得し、レース1でも4位入賞を果たした。

「ところどころウェットパッチが残るコンディションで清成選手があんなペースで走るからこっちもある程度リスクを覚悟でペースを上げないとついて行けない」と中須賀にコメントさせるほど清成はハイペースで走行、しかし11周目の4コーナーであわやハイサイドを喫し、なんとか転倒を免れたがマシンを立て直す間に中須賀にトップを奪われる。トップに立った中須賀、ここでペースを上げる。こうなると中須賀の必勝パターンである。

みるみる後続を引き離し、2位に約10秒もの大差をつける独走でトップチェッカー!今季初のポール・トゥ・ウィンを飾る。事前テストから他を圧倒する速さを見せていた中須賀。「昨年、開幕戦から転倒が続いてここモテギでも2戦とも転倒していたので慎重に走ったが、清成選手の異常なまでのペースにしっかりとついていくことで後続とのマージンを開く事ができた。トップに立ってからは路面も乾いてきたのでペースを上げてしっかりと自分の走りができたのが良かった」と中須賀。

「骨折のケガのため事前テストを走れず、ワークス車輌のレース仕様のマシンになって初めて乗ったので正直不安だったのでリスクを避けて少しずつ慣れていこうと思った。予選まで思ったほどペースを上げられなかったので表彰台も難しいかな、と思っていたが決勝レースがドライで走れたのが幸いした。最後に清成選手を抜いて2位表彰台に上がれて最低限の仕事はできたかな」と高橋巧。

「このレースウィークドライでの調子が良かったので予選では最低3列目までには入りたいと思ってプッシュしていたらハイサイド転倒してしまった。ケガの程度はたいしたことなかったがマシンが大きく壊れてしまったので決勝レーススタートギリギリまでマシンを修復してくれたスタッフに感謝したい。決勝スタートで前に行く事ができなかったがこのコンディションは我々に味方すると思い序盤に勝負を仕掛けたらトップ争いをすることができたので良かった」と清成。

ヤマハ、ホンダのワークスにモリワキが食い込み、ちょっと変わった顔ぶれとなった開幕戦の表彰台。今シーズンの波乱を予感させるのか、明日のレース2がどんな展開となるのか楽しみである。

全日本ロードレース開幕戦「SUPERBIKE RACE in MOTEGI」の決勝レース1上位10位は以下の通り。

優勝:#21 中須賀克行YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2位:#1 高橋巧Team HRC
3位:#23 清成龍一MORIWAKI MOTUL RACING
4位:#72 高橋裕紀MORIWAKI MOTUL RACING
5位:#11 渡辺一馬Kawasaki Team GREEN
6位:#090 秋吉耕佑au・テルルMotoUP RT
7位:#8 山口辰也Team SuP Dream Honda
8位:#46 星野知也TONE RT SYNCEDGE4413
9位:#31 津田一磨Team Baby Face
10位:#12 津田拓也ヨシムラスズキMOTULレーシング

Photo & text : Toshiyuki KOMAI