毎年恒例の「ハルク・プロ 感謝の夕べ」が東京都・立川グランドホテルで開催された。
今シーズンのハルク・プロは、各クラスに若手ライダーがステップアップ。JSB1000クラスに水野涼(20)、J-GP2クラス名越哲平(21)、ST600クラス上原大輝(21)、JP-250クラス赤間清。今年は無冠で終わるという結果だったが会場には大勢のお客様が駆けつけた。
「2002年以来勝てなかった年は無かったのですが、今年の最終戦まで表彰台に登ってもいないな、どうしたもんかなぁ、、と思っていたところ我々の気持ちを知ってか知らずか、名越哲平がJ-GP2クラスで今季初優勝、ハルク・プロにとっても初勝利を挙げてなんとか記録を延命できました。来年もレース活動と続けてまいります。そしてモータースポーツを通じて日本の二輪の文化をさらに発展させていきたいと思います。我々の活動はみなさまから支えていただいたおかげです。ありがとうございます。」と本田重樹会長から挨拶。
続いて、ハルク・プロのライダーによる今シーズンの結果報告が行われた。
先ずは最高峰クラスルーキーの水野涼。「去年のこの場ではJ-GP2クラスのチャンピオンとして登壇、今年は最高峰クラスにステップアップしてチームを引っ張っていこうと考えていましたが、結果はSUGOの4位が最高、ランキング11位という結果でした。もう少しJSB1000クラスで通用すると思っていたのですがレベルの高さを痛感しています。鈴鹿8耐でも自分のスティントで転倒してしまいチーム・スポンサーのみなさまに迷惑をかけてしまいました。来年はもっと良い成績でこの場で報告できるように頑張ります。一年間ありがとうございました。」
「今年一年間たくさんのサポートをありがとうございました。今年はJ-GP2クラスにステップアップしました。前半戦はJ-GP2マシンというものを理解できず転倒も重なり苦労しました。後半戦に入り少しずつマシンに乗り慣れてきて最終戦で優勝することができました。しかし、シーズンを通してみるとドライでもウェットでもトップとの差は開いていて自分の力が足りないことを痛感しました。来年はさらに自分を追い込んで頑張っていきますので、変わらぬ応援とサポートを何卒よろしくお願いいたします。」と名越哲平。
今年ST600クラスにステップアップした上原大輝。「昨年はJP250クラスでチャンピオンを獲得して今年はミストレーサRTハルク・プロからST600クラスにステップアップして参戦しました。600ccは初めてでしたが自信もあり開幕戦を楽しみにしていたのですが、結果は目標にはとても及ばない結果で今シーズンを終えてしまいました。今年一年、今まで経験したことのない悔しさや難しさの体験の中で少しは成長できたかなとは思っています。しかし、トップとは程遠いので今シーズンを通して学んだことを来年の走りに活かして結果として残したいと思います。今年一年間のサポートと応援をありがとうございました。」
「今年はJP250クラスにスイッチして開幕戦もてぎの公式練習までは“イケるんじゃないか?””悪くてもランキング6位、コツコツやれば3位までいけるんじゃないか“と思ったのですが、見事に予選・決勝で転倒してそこから調子が狂ってしまいました。結果はシリーズランキング11位でした。来シーズンは今年の成績を上回るように頑張っていきます。」と52歳とは思えないほど若い赤間清がコメント。
恒例の樽酒の鏡開き、そして株式会社ホンダモーターサイクルジャパン パブリックリレーション部:部長赤坂様の乾杯のご発声で宴会がスタート。
本田光太郎社長から2019年の体制発表が行われた。MuSASHi RT HARC-PRO. HondaからJSB1000クラスは引き続き水野涼、J-GP2クラス:名越哲平、昭和電機株式会社がメインスポンサーとなるSDGミストレーサRTハルク・プロからST600クラス:上原大輝、JP250クラス:赤間清、さらにJ-GP2クラスに榎戸育寛の加入が発表された。
「ホンダさま、ハルク・プロさま、昭和電機株式会社さまをはじめとする様々な方々のご支援によってこの場に立つことができました。この感謝の気持ちを言葉だけではなく必ずや結果でお返ししたいと思っています。」と力強い挨拶。そこへ名越哲平が「チャンピオンは自分なので育寛は2位で」と割り込んできた。榎戸も黙ってはいない「来季はそうはいかないぞ、勝つ気満々です!」と応戦。榎戸と名越、良い意味でライバルとして刺激し合い、切磋琢磨しながら成長していくのではないだろうか。
本田重樹会長のムチャ振り?でTeam HRC高橋巧がステージに。「昨年、水野涼くんから“来年、巧さんを越えますから”と軽く言われました」と暴露。これには水野もタジタジで「本当にすみませんでした」と平謝り。会場は笑いの渦に包まれた。
ビンゴゲームでは豪華賞品が多数提供され大いに盛り上がったところで本田光太郎社長から中締めの挨拶。「今シーズンも無事にレース活動を終えられたのもひとえにみなさまがたのご協力があったからこそだと心より御礼申し上げます。ありがとうございました。来シーズンもご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。」
ハルク・プロのますますの活躍に期待がかかる。
Photo & text : Toshiyuki KOMAI