2020全日本ロードレース第4戦もてぎ 公式予選・決勝レース1

2020/10/18

野左根航汰、中須賀との接戦を制し開幕5連勝。2位に中須賀克行。3位に加賀山就臣が入った!

野左根航汰(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が速い!予選ではポールポジションを獲得。レース1は赤旗終了で中須賀克行の追撃を振り切りポール・トゥ・ウィン。中須賀は惜敗:2位。3位に6年ぶりの表彰台獲得した加賀山就臣(Team KAGAYAMA)

今大会も2レース制。公式予選のベストタイムがレース1のグリッド、セカンドタイムがレース2のグリッドとなる。木曜、金曜とドライであったが土曜日は朝から冷たい雨。午前中に行われた公式予選。野左根が1分58秒674でポールポジション獲得。2番グリッドには最後に逆転で清成龍一(Keihin Honda Dream SI Racing)がつける。そのタイム1分59秒215。中須賀は3番手の1分59秒742。4番グリッドに加賀山就臣(Team KAGAYAMA)2分00秒166、5番グリッドに前田恵助(YAMALUBE RACING TEAM)2分00秒645。

レース2のポールポジションも野左根。ダブルポールを決めた。4番グリッドまではレース1と同じ。 5番グリッドに濱原颯道(Honda Dream RT 桜井ホンダ)が食い込んできた。

ウェット宣言が出されたレース1は21周に減算されて午後2時5分にスタート。野左根がホールショットを奪う。清成、中須賀と続いて1コーナーに進入、2コーナーで中須賀が清成をパス。予選10番グリッド、11番グリッドの岩田悟(Team ATJ)と秋吉耕佑(au・kosuke racing)が5番手6番手で4コーナーを立ち上がる。すると5コーナーで4番手走行の水野涼(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)と秋吉が接触転倒。水野のマシンが炎上したため赤旗中断。

約15分の中断の後に周回数変わらず21周で決勝レース1再スタート。今回も野左根がホールショットを奪う。2番手に中須賀、加賀山がスタートを決めたアウト側から3番手で2コーナーを立ち上がる。4番手に清成、そして岩田が今回も絶妙なスタートで10番手から一気に5番手に浮上すると清成をもかわして4番手に浮上。

オープニングラップは野左根が制し、以下、中須賀、加賀山、岩田、清成、濱原、前田、亀井雄大(Honda Suzuka Racing Team)、渡辺一馬(Keihin Honda Dream SI Racing)、柳川明(will raise racing RS-ITOH)の上位10台。

2台のヤマハファクトリーが速い!序盤、2分00秒でラップ。3番手以下が2分02秒台なのでその差はみるみる開いていく。このウィーク、全てのセッションで野左根の後塵を拝する中須賀は後ろから勝負どころを狙う。片や野左根、珍しく後ろを振り返る。ウォータースクリーンで視界が悪い中でも予選よりも速いタイムでピタリと背後につける中須賀に焦り、ペースを落とせないと覚悟した。

 3位争いのセカンドグループは加賀山、岩田、清成、濱原の4台。3周目のホームストレートで岩田が加賀山をパス。さらに清成が加賀山、岩田をかわして一気に3番手に浮上すると4周目に2分00秒641の2分00秒台に入れるとセカンドグループから抜け出し単独3位走行となる。

野左根は5周目に1分59秒789と59秒台にペースを上げる。中須賀も7周目に1分59秒094と58秒台もうかがえるベストタイムをたたき出す。ここから野左根、中須賀の驚異の59秒台ラップが続く。この異次元の先頭争いに後続との差はさらに広がる。

4番手争いが接近戦となってきた。雨の開幕戦で転倒を喫した加賀山、同じ轍を踏まないように序盤はペースを上げずに走行していたが徐々にペースを上げ、11周目の5コーナーで岩田をかわして4番手に浮上する。単独3位走行していた清成のペースが上がらない。15周目のヘアピンで加賀山が3番手に浮上する。

野左根と中須賀はその差を開いたり縮まったりしながらも相変わらず59秒台の信じられないペースでバトルを続ける。15周目の2コーナー立ち上がりで亀井が転倒、マシンがコース上に残ったため赤旗中断。15周終了時点での順位をもってレース終了となり、優勝野左根、2位中須賀。3位に加賀山。2014年最終戦の優勝以来6年ぶりの嬉しい表彰台を獲得した。

全日本ロードレース第4戦もてぎレース1の上位10位は以下の通り

優勝:#3 野左根 航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2位:#1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
3位:#71 加賀山 就臣 Team KAGAYAMA
4位:#17 清成 龍一 Keihin Honda Dream SI Racing
5位:#36 岩田 悟 Team ATJ
6位:72 濱原 颯道 Honda Dream RT 桜井ホンダ
7位:#25亀井 雄大 Honda Suzuka Racing Team
8位:#33渡辺 一馬 Keihin Honda Dream SI Racing
9位:#75前田 恵助 YAMALUBE RACING TEAM
10位:#87柳川 明 will raise racing RS-ITOH

Photo & text : Toshiyuki KOMAI

<優勝:野左根航汰記者会見>

「この雨の中では水しぶきで前が見えないはずなのに中須賀選手がずっとついてきたので、自分もペースを落とすことができず1分59秒台を維持しながら走りました。しかし終盤の雨が強くなり真っ直ぐ走ってもハイドロを起こすくらいでした。赤旗の直前の周に、中須賀選手がすぐ後ろにいるのが音でわかり「このまま終わらせてくれないだろうな」と覚悟を決めて、「どこで攻めてくるか」「自分の仕掛けどころはどこか」を考えていました。結果的に赤旗に勝つことができました。明日の決勝レース2は自力で優勝したいと思います。」

<2位:中須賀克行記者会見>

「自分自身は予選よりも速いタイムで走ることができました。野佐根選手はウィークに入っても良い走りをしていたので後ろにつきながら最後に仕掛けるところを考えていましたが赤旗中断となりました。今回はチェッカーを受けたかったです。この雨では先頭を走るのは難しいのですが、野佐根選手は良い走りをしいました。お互い良いレースができたかな、と思っています。」

<3位:加賀山就臣記者会見>

「まずはこの表彰台に上がれたことを応援してくれているスポンサーさんやファンの方々に報告したいと思います。今年のマシンパッケージでなかなか雨のセットが出せずにいました。さらに前戦オートポリスでエンジンブローによりマシンが廃車になったので今回はイチから作り直してきたバイクです。木曜日からいろいろマイナートラブルが出てしま、今朝になってやっと機能するようになってきました。開幕戦の雨のレースで転倒しているので序盤は様子を見ながら走っていたら離されてしまいました。徐々にペースを上げて行き終盤に2分0秒でも走れたので雨はやっぱり嫌いじゃないんだな、と再確認しました。圧倒的に速い中須賀選手と野佐根選手と一緒の表彰台に登れたことはすごく嬉しいです。」