全日本ロードレース第7戦オートポリス 決勝レース1

2021/09/19

直前の雨で荒れた予選。快晴の決勝。中須賀克行がポールto ウィン、2位:濱原颯道、3位:亀井雄大

台風は去ったが朝の路面はウェット。J-GP3クラス予選ではところどころ濡れているもののドライタイヤでいけるコンディション。しかし、JSB1000クラスが始まる直前に雨が落ち出す。ところどころ濡れている難しいコンディション。各車早めにタイムを出そうと一斉に出てくる。リーダーボードのトップに立ったのは濱原颯道(Honda Dream RT 桜井ホンダ)4周目くらいから雨脚が強くなり溜まらず全車ピットイン。

ここでなんと中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)がジェットコースターストレート過ぎ2個目の右コーナー。幸い自力でピットに戻ることができた。この時点でのトップは濱原、中須賀は7番手であった。

雨は止み日射しが射してくると各車再びコースイン。中須賀が1分49秒台に入れてトップに浮上。濱原が中須賀を上回るタイムで逆転すると、中須賀もセッション終盤に1分48秒082をマークしてポールポジション獲得。2番手に濱原:1分49秒197、3番手に名越哲平(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)亀井雄大(Honda Suzuka Racing Team)1分49秒526、4番手に亀井雄大(Honda Suzuka Racing Team)1分49秒673、5番手に加賀山就臣(Team KAGAYAMA)1分49秒873。

決勝レース1がスタートする15:35にはすっかり天気は回復して台風一過の好天。気温22度、路面温度39度まで上昇する。ホールショットは中須賀が奪う。亀井、濱原、加賀山就臣(Team KAGAYAMA)、岩田悟(Team  ATJ)、名越の順に1コーナーに進入する。第2ヘアピン進入で濱原が亀井をパス、2番手に浮上。

オープニングラップは中須賀が制し、以下、濱原、亀井、加賀山、名越、岩田、秋吉耕佑(MURAYAMA.TJC.RT)、柳川明(will raise racing RS-ITOH)、清成龍一(Astemo Honda Dream SI Racing)、黒木玲徳(GOSHI Racing)の上位10台。

中須賀はオープニングラップで1分48秒835のファステストラップをマークして後続を引き離しにかかる。その後も1分49秒フラットから前半のラップタイムで周回する。濱原も3周目までは49秒台でラップしてくらいつくがその差は徐々に開き5周目には2秒091の差となる。

予選15番手と後方からのスタートとなった清成だがスタートと上手く決めると2周目には5番手にまで上がる。さらに前をいく加賀山をパスして4番手に浮上、しかしその直後、上り勾配の右50Rコーナーで痛恨の転倒を喫しリタイアとなってしまう。

オープニングラップを5番手で通過した名越だが、第2ヘアピンでオーバーラン、2周目に16番手まで順位を落とす。中須賀に食らいつくために柔らかめのタイヤで勝負に出た。後半のタイヤのタレ具合の検証も兼ねて。ここから名越の追い上げが凄かった。ラップタイムペースも1分50秒前半と上位2・3位のタイムと変わらずみるみるポジションを上げ、5番手争いのパックに加わる。

「転倒しないように我慢の走りに徹した」という加賀山。予選で接地感不足を感じたが原因は路面が濡れているからだと推測して金曜日のセットに戻した。単独4番手を走行するがグリップ不足と対峙しながらの走行を強いられた。

濱原2番手、亀井3番手単独走行を続ける。1分50秒台の同じようなラップタイム。中盤以降亀井がプッシュして一時コンマ66秒まで詰めるが、終盤に濱原がペースアップ、亀井はついて行けなかった。

中須賀は自分のリズムで1分49秒台のラップを刻み、2位濱原以降に約15秒もの大差をつけて貫禄のポールtoウィン!自身の62勝目を挙げた。

2位争いは終盤にペースを上げた濱原が逃げ切り2位表彰台、3位には亀井は入った。加賀山は4位フィニッシュ。

岩田、柳川、秋吉、山口、名越、黒木の5位争いは激しく順位を入れ替えながらパックになって走行。岩田が制して5位、6位柳川、7位名越、8位秋吉、9位黒木、10位山口の上位10位であった。

明日は決勝レース2が開催される。

優勝:中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)記者会見

「予選では早めにタイムを出そうと思ったのですが思ったより濡れていて気をつけなくちゃ、と思っていた矢先に転倒してしまい、チームに迷惑をかけてしまいました。ですがチームがしっかりとしたマシンを仕上げてくれていたのでTカーでも問題なく走れました。ケガの功名では無いですが予選のバタバタがかえって自分を落ち着かすこととなり決勝では自分のリズムをしっかりと刻んで走りきることができました。地元九州の人たちの声援の中で走るのはチカラになります。その中でしっかりと勝てたことは良かったと思います。」

2位:濱原颯道(Honda Dream RT 桜井ホンダ)記者会見

「中須賀選手との差がどんどん離れていってしまったので絶対に2位になってやると思っていました。サインボードに後続の選手との差を出してもらうのを頼み忘れてしまったので後ろから攻めてくる亀井選手との差を1コーナーで確認していました。最後に仕掛けてくると思ったのでタイヤに余力を残しておこうと思っていました。余裕があったわけでは無いのですが2位になるためにはどうするか、を考えていました。中須賀選手と離れてしまったので満足はしていませんが今自分が出せるリザルトは出せたかなと思います。」

3位:亀井雄大(Honda Suzuka Racing Team)記者会見

「追いつく予定でしたが、ラスト3〜4周でもう一度ペースを上げる余裕が(濱原に)あったようで追いつくことができませんでした。悔しいです。但、事前テストに参加しておらず、昨日の午後も1本走行が無くなってしまたた中では最低限の仕事はできたかな、と思います。データは取れたのでそれをしっかりと確認して明日は中須賀選手に序盤の5周くらいはしっかりと食らいついていきたいと思います。」

全日本ロードレース第7戦オートポリス 決勝レース1上位10台は以下の通り

優勝:中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2位:濱原颯道 Honda Dream RT 桜井ホンダ
3位:亀井雄大 Honda Suzuka Racing Team
4位:加賀山就臣 Team KAGAYAMA
5位:岩田悟 Team ATJ
6位:柳川明 will raise racing RS-ITOH
7位:名越哲平 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda
8位:秋吉耕佑 MURAYAMA.TJC.RT
9位:黒木玲徳 GOSHI Racing
10位:山口辰也 TOHO Racing

Photo & text : Toshiyuki  KOMAI