中須賀克行が開幕9連勝!2位:渡辺一樹、3位に亀井雄大
ここまでJSB1000クラスは2レース開催だったがオートポリス大会は久しぶりの1レース開催。暑いコンディションに合わせた中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が独走優勝、今季開幕から9連勝を飾る。昨年からカウントすると19連勝を達成。2位に渡辺一樹(YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN)、事前テストに参加できずにセットに苦しんだ亀井雄大(Honda Suzuka Racing Team)が3位。
前日の予選で2番グリッドを獲得した岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)。しかし激しく転倒、治療のため病院へ向かう際に新型コロナウィルスの検査をした結果陽性と判定され、残念ながら決勝レースは欠場となった。これにより2位以下の順位が一つずつ繰り上がるグリッドとなった。2番グリッドについた榎戸育寛(SDG Honda Racing)はウォーミングアップ走行後にピットへ戻る。ウィルス性胃腸炎のため走行できる状態ではなかったと言う。
2番グリッド空席のまま18周の決勝レーススタート。ホールショットは亀井が奪う。中須賀、作本輝介(Astemo Honda Dream SI Racing)、岩田悟(Team ATJ)、渡辺の順に1コーナーを立ち上がる。3コーナー進入で作本は中須賀をパスすると第2ヘアピン進入で亀井を捉えてトップに浮上、そのままオープニングラップを制する。以下、亀井、中須賀、渡辺、岩田、濱原颯道(Honda Dream RT桜井ホンダ)、秋吉耕佑(Murayama.Honda Dream.RT)、関口太郎(SANMEI Team TARO PLUSONE)、清成龍一(TOHO Racing)、児玉勇太(Team Kodama)の上位10台。
2周目の第2ヘアピンで亀井が作本のインからトップに浮上、登りセクション右60Rで中須賀が作本を刺して2番手浮上、作本は3番手にポジションダウン。4周目のホームストレートで中須賀が亀井をかわしてトップに浮上する。渡辺が4周目の第2ヘアピンで作本をパスして3番手浮上。さらに6周目に亀井を捉えて2番手に浮上する。
トップの中須賀は3周目にただ一人1分48秒台に入れる。その後もコンスタントに48秒台で周回して後続との差を広げる。土曜日の予選は路面温度が53度を超えるコンディションに変化したことに苦戦した。「予選のセットのキャパが狭かったかなと思います。高い路面温度に対応し切れなかった」とコメント。決勝に向けてセットを変えて臨んだ朝フリー。方向性は間違っていないと確信した。8周目には2番手渡辺との差を2.986秒に広げる。
2番手単独走行となった渡辺。鈴鹿8耐から新しいパーツを投入して新しいセッティングを試している。「ヤマハファクトリーを追い越すには現状のパッケージの進化ではなく新しく作っていかなくてはならない」と言う。しかし事前テストでは天候不順でまともに走れず時間が足りなかった。前を行く中須賀を追うがラップタイムペースでコンマ5秒ほど追いつかない。
3番手走行の亀井。事前テストに参加できずセットが決まらなかった。特にフロントのチャタリングに悩まされていた。走行ごとに少しずつ改善して朝フリーでは良いところまで来た感触だったのだが決勝になると再びネガが出てしまったと言う。「今のマシンでは(中須賀に)対抗できるパワーが無いのでホールショットを狙い、序盤でマージンを稼ごうと思っていました」との思惑通りスタートは決まったが中須賀にかわされてからは49秒中盤から後半のタイム。
その後方では4番手:作本、5番手:濱原、6番手:岩田、7番手:清成が単独走行となっていた。さらにその後方では関口、秋吉、柳川明(KRP SANYOUKOUGYO RSITOH)の3台による8番手争いを展開していた。
中須賀の独走は続き13週目には6.826秒差にまで広げる。しかし14週目のホームストレートで津田一磨(BabyFace Powered by YOSHIMURA)のマシンから白煙が上がりピットロード出口に止める。これにより赤旗中断。12周終了時点でレース成立となった。
中須賀はこれで今シーズン開幕から9連勝、昨年から通算すると19連勝を達成した。2位に渡辺、3位亀井、4位作本、5位濱原、6位岩田、7位清成、8位関口、9位秋吉、10位柳川の上位10台であった。
優勝:中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)記者会見コメント
「昨日に引き続き天候に恵まれ、路面温度も昨日と同じコンディションでした。自分は予選で非常に苦労して、何とか一発のタイムを出した形になりましたが、あの温度で走れたことで決勝レースのセッティングを変えることができました。自分にとっては暑い予選が役に立ったなという印象です。最後まで自分の走りをすればなんとか勝てると思っていたのでしっかりと集中することだけを心がけました。」
2位:渡辺 一樹(YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN)記者会見コメント
「まずスタートが遅れてしまったのがレースを難しくしてしまったかなと思います。結果は変わらないと思いますが中須賀さんの後ろを走っている時間が少なかったのは反省点です。後半戦に入って車体の新しいことを試していて、テストが不足してる中で、この位置で走れたことはしっかり進みつつあるという実感はあります。但、中須賀さんとはまだまだ大きな差があると言うことも実感しました。非常に悔しいレースでした。」
3位:亀井 雄大(Honda Suzuka Racing Team)記者会見コメント
「自分は事前テストに参加できなかったのでウィークに入ってから6月のSUGOとはフィーリングが全然違うことに驚きました。フロントチャタリングが収まらずどうにもこうにもなりませんでした。ですが朝フリーでは良い感触を得られたのでなんとか中須賀選手について行って2位を狙っていたのですが、決勝レース中に再びチャタリングの症状が出てしまい、渡辺さんからも離されてしまいました。それでもホンダ勢最上位で3位表彰台に上がれたことは良かったかなと思います。」
全日本ロードレース第6戦 オートポリス 決勝レース上位10位は以下の通り。
1:#1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2:#15渡辺 一樹 YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN
3:#6 亀井 雄大 Honda Suzuka Racing Team
4:#27作本 輝介 AstemoHondaDreamSIRacing
5:#2 濱原 颯道 Honda Dream RT SAKURAI HONDA
6:#8 岩田 悟 Team ATJ
7:#2 清成龍一 TOHO Racing
8:#11関口 太郎 SANMEI Team TARO PLUSONE
9:#7秋吉 耕佑 Murayama.Honda Dream.RT
10:#9 柳川明 KRP SANYOUKOUGYO RSITOH
Photo & text:Toshiyuki KOMAI