開幕前から注目の的だったDUCATI Team KAGAYAMAの水野涼が1’47”506のトップタイムをマークした!一週間前に行われた事前テストのタイム1’47”494にはわずかに届かず。
午前中の走行では中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)に逆転されて2番手。相当悔しかったらしく「午後は予選のつもりでアタックします」と言って臨んだそうである。この負けん気の強さが水野の真骨頂。その言葉通りトップで二日目を終えた。しかも、コースインして2周目には47秒中盤に入れ、その後もずっと47秒中盤でラップを続けた。
「事前テストから良い感触で走れていて、今日はその時と同じ手応えを感じることができました。順位も内容も満足しています。ロングまではいきませんでしたが長い距離を走ってアベレージがテストよりも大幅に上がったのがめちゃくちゃ良かったです」
「コンディション次第ですけど明日はできればコースレコードを更新したいですね。見せ方にもこだわりたいので」
と上機嫌であった。何もかもが新しくなり、おまけに準備不足。普通は不安が先行すると思うのだが「楽しく乗れている」と言うのは心強い。水野の持ち前の強さ・自信とマシンのポテンシャルの高さが良い方向へ回っているからこそであろう。
総合2番手は中須賀克行、1’47”514。先週の事前テストでの転倒で負った痛みと闘いながらの走行となった。もてぎはストップ&ゴーの手負いの身体には厳しいコース。それでもこのタイムは負けず嫌いだからこそなし得た結果だろう。
「身体がどこまで回復するか不安を抱いたままウィーク入りしました。やはりブレーキングの時に痛みます。ですがそれを言い訳にしたくないので今、自分にできることを精一杯やるだけです。どこまで保つか未知数ですが今日走った感じでは戦えるところまで来ているかな、と言う感じです」
「痛みをカバーするためにブレーキングを柔らかくすることで今まで苦手だったコーナーが上手く曲がれて結果的にタイムが上がっています。怪我の功名ですね」
明日のレース1は15周、日曜日のレース2は20周の長丁場。身体が心配だが決勝になると強さを見せる中須賀。どんなレース展開になるのか。
総合3番手は津田拓也(AutoRace Ube Racing Team)1’47”865。最高峰クラス参戦2年目なのにすっかり上位争いの常連チームとなった。マシンは昨年から大きく変えたところは無いと言う。「チームが細かいところをコツコツと改善していった結果トータルで速くなりました」昨年より約1秒速くなった。この1秒は大きい。
「自分も47秒台に入るとは思っていませんでした。昨年一年かけてブリヂストンタイヤに合わせた乗り方に変えました。ミシュランやダンロップの乗り方ではタイヤを潰すことができず速く走ることができませんでした。タイヤに合わせてマシンのセットも変えてライダーもマシンも対応できるようになったことが大きいと思います」
明日は午前中に予選、午後にレース1が行われる。役者が揃った今年のJSB1000クラスは見どころ満載である。
1:#3 水野 涼 DUCATI Team KAGAYAMA 1’47.506
2:#1 中須賀 克行YAMAHA FACTORY RACING TEAM 1’47.514
3:#6 津田 拓也 AutoRace Ube Racing Team 1’47.865
4:#32 野左根 航汰 Astemo Honda Dream SI Racing 1’48.162
5:#2 岡本 裕生YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2 1’48.183
6:#33 高橋 巧 日本郵便Honda Dream TP 1’48.800
7:#40 榎戸 育寛 TOHO Racing 1’48.870
8:#30 長島 哲太 DUNLOP Racing Team with YAHAGI 1’48.912
9:#10 岩田 悟 Team ATJ 1’48.974
10:#4 名越 哲平 SDG Honda Racing 1’49.140
Photo & text:Toshiyuki KOMAI