岡本裕生の勢いが止まらない。コースレコード更新でポールポジション!水野涼、野左根航汰もレコードブレイク。

2024/09/28

岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)がコースレコードを破る1分29秒548でポールポジションを獲得。2番手:水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)1’29.838、3番手野左根航汰(Astemo Honda Dream SI Racing)1’29.853もコースレコード更新。この3台がずば抜けて速い。

今大会は1レース開催。土曜日の公式予選は年間で唯一のノックアウト予選。

35分間のQ1で上位10台を選出、11番目以下はQ1の順位がグリッドとなる。10台によるQ2でポールポジションから10番グリッドまでを決める。

前日までの酷暑からは気温も下がり湿度も低くなった。予選開始早々岡本が1’30″642といきなり30秒台に入れてリーダーボードのトップに立つ。すかさず水野が1’30″227と前日を上回るタイムで逆転。しかしそこに野左根が割って入り1’30″091をマーク。序盤からハイレベルなアタック合戦となる。6周目に岡本が1’30″075を叩き出してQ1トップ通過を決める。

驚くべきは中須賀だ。昨日の走行1本目にハイサイドで転倒、2本目の走行はキャンセル。「欠場するのでは?」との噂も出たほどであったがコースイン。しかも出したタイムが1’30″476。Q1を4番手で通過する。満身創痍の身体からはとても信じられないタイムだ。

「昨日は4周目のマイクナイトコーナーでリアタイヤを落としてハイサイドを起こしてしまいした。自分のミスなので仕方ないですがケガはしたものの走れることができたのは不幸中の幸いかなと思います。予選なのでなんとか走れましたが決勝は厳しいレースになるでしょうね。でも自分ができることはしっかりとやって少しでもポイントを獲りたいと思います。

Q1を通過したのは、岡本、水野、野左根、中須賀、伊藤和樹(Honda Dream RT桜井ホンダ)、津田拓也(AutoRace Ube Racing Team)、高橋巧(日本郵便Honda Dream TP)、名越哲平(SDG Honda Racing)、岩田悟(Team ATJ)、長島哲太(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)の10台。

10分のインターバルを挟んで15分間のQ2がスタート。岡本が中須賀の持つコースレコード(1分29秒969)を上回る1分29秒548をマーク!ポールポジションを獲得する。さらにアタックを続け、なんと1分29秒969!コースレコードを更新してポールポジションを獲得する。

「29秒前半を目標タイムにしていたので(29秒5は)少し残念ではありますが、一発のタイムだけではなくアベレージも刻めたのでそこは良かったと思っています。Q1、Q2共に30秒前半で回れました。できればあと1段階上げて決勝レースに臨みたいと思います」

「明日の決勝はフロントローに野左根選手もいますし、スタート直後は周りをよく見て落ち着かないといけないと思っています。あとは自分のペースに持ち込んだレース展開ができればと思います」

予選タイムは29秒前半を目指し、アベレージもさらに上げて後続を引き離したいと言う岡本。後半戦に来てスイッチが入ったと言うか覚醒した感がある。

「後半戦と言うより、自分の中ではSUGOのレース2がターニングポイントだと思っています。後続を引き離し、速さで勝てたことが自信に繋がり、そこから考え方や走り方が変わった気がします」

「後半戦のもてぎでは良いところがひとつも無くて、その悔しさと反省からオートポリスの連勝ができたと思っています。

ライダーって何か一つのきっかけでスイッチが入ることがあるのですが、自分の場合はSUGOのレース2でした」

この岡本の勢いを止めることができるのは誰なのか。。

岡本がコースレコード更新すれば水野も29秒台に入れる1’29.838。もちろん自己ベスト。

「ポールポジションを獲れなかったのはもちろん悔しいですが、でもコースレコード更新してますし昨日・今日の4本のセッションのアベレージタイムも刻めているので、ここまでは非常にポジティブです」

「走行を重ねるごとに進化を感じています。事前テスト初日の入りは33秒5でした。そこから今日までに3.5秒も上がっているのですから凄いことだと思います」

「明日の決勝は野左根選手がフロントローにいるのがキーになると思っています。1周目のポジション取りでレース展開を考えたいと思います」

野左根もコースレコードを更新した。1’29.853。セットアップの進化を感じていると言う。

「想定タイム29秒をクリアできたことは良かったです。一発タイムとしては良かったのですがアベレージタイムが追いついていないので明日に向けて詰めていきたいです。今年はまだ表彰台に登れていないので明日はそこを目指して頑張りたいと思います」

「マシンの軽量化を図ったり、新しいパーツを入れたりとチームがしっかりとマシンを進化させてくれています。その熟練度が上がってきているのを実感しています。今あるマシンの中で自分のポテンシャルを100%引き出せるようにしてチーム・マシン・ライダーが良い相乗効果を出していると感じています」

明日は岡本VS水野、野左根の展開となるだろう。満身創痍ながら予選4番グリッドを獲得した中須賀がどこまで絡んでくるか。決勝レースになると引き出しの多さで強さを見せる中須賀の走りにも注目したい。

全日本ロードレース第7戦岡山 公式予選 上位10位の結果は以下の通り

ポールポジション:#2岡本 裕生 R1’29.548 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2
2:#3 水野 涼 R1’29.838 DUCATI Team KAGAYAMA
3:#32 野左根 航汰 R1’29.853 Astemo HondaDream SI Racing
4:#1 中須賀 克行 1’30.152 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
5:#9 伊藤 和輝 1’30.940 Honda Dream RT SAKURAI HONDA
6:#6 津田 拓也 1’31.218 AutoRace Ube Racing Team
7:#4 名越 哲平1’31.414 SDG Honda Racing
8:#33 高橋 巧 1’31.417 JAPAN POST HondaDream TP
9:#10 岩田 悟 1’31.704 Team ATJ
10:#30 長島 哲太 1’43.000 DUNLOP Racing Team with YAHAGI

Photo & text:Toshiyuki KOMAI