絶好調の水野涼、ただひとり4秒台に入れた!ART合同走行

2024/10/25

水野涼が絶好調だ。金曜日に行われたART合同走行でただひとり2分4秒台に入れる2’04.856をマークした。昨日の走行で”2分4秒台も行けるかも“と感じていたのが現実となった。

水野涼:「一発もアベレージも刻めているので自信を持って明日の予選と決勝に臨めます」

「昨日に比べてコンディションが良くなったことも要因のひとつですが、このウィークは調子良く走れています。1本目の走行を終えてこれならいける、と確信したので2本目に新品タイヤを入れたら4秒台に入りました。アベレージも5秒後半で走れていたので、自信を持ってこの二日間を終えられたかなと思います。」

「今回ハード方向のタイヤを選択したのですがそのタイヤで4秒台をマークできたことが非常にポジティブに捉えています。明日からはコンディションが悪くなる予報です。ソフト方向のタイヤに切り替えたとしてもハードで出せた実績と自信を持てたので明日の予選とレース1をしっかりと戦えると思います」

リラックスしたムードに自信を備えた水野。「自分はチャンピオン争いは無いと思っているので気負いもありません」とのびのびとウィークを過ごしているように見える。

総合2番手は岡本裕生。2’05.009、4秒台まで1,000分の9秒。だが岡本は焦っていない。ロングランを実施している中でこのタイムをマークした。しかも2回ミスしたコーナーがあったそうだ。

岡本裕生:「勝って鈴鹿の苦手意識を克服したいです」

「既に去年の予選タイムを超えていますし、ロングの最中に出したタイムなので調子は悪く無いと思っています。昨日・今日の4本の走行時間でセットを進められたので、あとは予選を使って決勝を見据えたセッティングを決めて自分のコンディションを整えるだけかな、と思っています」

「鈴鹿は相変わらず苦手です。今日はレースディスタンスと同じ15周を走りましたが他のサーキットに比べて疲れますね。ですが自分は鈴鹿8耐を走っていない分、鈴鹿を楽しめていると思います。まだ鈴鹿で勝った経験がないので最終戦で勝てれば苦手意識が克服できるでしょうね」

オートポリスから流れは岡本に来ている。その勢いに乗って鈴鹿初優勝を飾れるか、注目される。

3番手は野左根航汰:2’05.427。

野左根航汰:「ここが正念場だと思っています」

「2本目のタイムは想定通りでした。一発のタイムは出せたのですがレースのアベレージタイムが足りていません。そこが今年の課題です。明日の予選はもちろん一発は狙いますが、レースでもしっかりと粘れるような対策も講じて行きたいと思います」

「岡山は自分のライディングスタイルにマッチしていたのですが鈴鹿はやはり難しいですね。この二日間いろいろ考えながら走っていたのですがここが正念場だと思っています。日曜日のコンディションが微妙ですが、もしかすると自分にとってチャンスに変わるかもしれない。そんな時にしっかりとモノにするのもライダーの仕事ですのでしっかりと準備したいと思います」

4番手は中須賀克行、2’06.356。前人未到の記録を持つ絶対王者だが、さらに上のステージ上がろうともがいている。

中須賀克行:「イメージと走りがリンクできずタイムが伸びません」

「今、バイクの走らせ方を変えようとしています。イメージはできているのですが考えながら走っているのでどうしてもワンテンポ遅れてしまうのです。だからリズムが合わず上手く乗れていません。考えなくても身体が動くようになればリズムを取り戻せるのですが。でも、その走らせ方がだんだん見えてきました」

「同じパッケージのマシンで(岡本)裕生がコースレコードを更新しているのに自分のタイムが伸びないのは今までの走り方にある。だから新しい走り方をマスターする必要があるのです。それをクリアできれば次のステップに進むことができます」

岡本裕生の成長、水野涼の躍進など、中須賀を取り巻く環境は変わり追い詰められるようになってきた。だがそこで負けないのが中須賀だ。さらに上のステージに登ろうとしている。新しい走りをマスターしてシリーズチャンピオンを獲得できるか、明日・明後日の決勝が注目される。

明日の決勝・レース1、天候が気になるところだがなんとかドライでレースをしてほしい。

全日本ロードレース第8戦鈴鹿 ART合同走行 上位10位の結果は以下の通り

1:#3 水野 涼 DUCATI Team KAGAYAMA 2’04.856
2:#2 岡本 裕生 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2 2’05.009
3:#32 野左根 航汰 Astemo HondaDream SI Racing 2’05.427
4:#1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2’06.356
5:#4 名越 哲平 SDG Honda Racing 2’06.437
6:#10 岩田 悟 Team ATJ 2’06.526
7:#13 渥美 心 YOSHIMURA SERT MOTUL 2’06.560
8:#6 津田 拓也 AutoRace Ube Racing Team 2’06.744
9:#33 高橋 巧 JAPAN POST HondaDream TP 2’06.921
10:#9 伊藤 和輝 Honda Dream RT SAKURAI HONDA 2’06.952

Photo & text:Toshiyuki KOMAI