ヤマハの2016年モータースポーツ計画の発表会が東京・大崎ブライトコアホールで開催されました。
冒頭、木村隆昭代表取締役副社長からヤマハがモータースポーツ活動で掲げている3つの基本方針について説明がありました。
①ヤマハブランドを輝かせる、価値を高める「ブランディング」モータースポーツはブランディングに大いに寄与する
②頂点を目指すチャレンジの中で獲得した技術を市販車に活かす「技術のフィードバック」
③モータースポーツを観る喜び、する喜びを世界に広めて更なるレース文化の発展に繋げていくことを目指す「普及活動」
企業ブランドを浸透させ、価値を高めていくためにモータースポーツ活動にチカラを入れているというヤマハの行動はとても喜ばしく嬉しいことですね。ファクトリー体制で臨んだ昨年は鈴鹿8耐で19年振りの優勝、そして全日本ロードレースでは4年連続・6度目の前人未到の記録を達成してヤマハブランドをさらに輝かせました。影響力の高いトップカテゴリーでの輝きは製品の高い技術力と信頼性を浸透させ、マーケティングに高く寄与したそうです。
さらにヤマハは「人」の育成にも重点を置いています。人材発掘と育成を目的としたグローバルのステップアッププログラムの構築として、アジアロード選手権でAP250クラスの新設を働きかけ、多くの若いライダー達のチャレンジのチャンスを広げました。今年は成績優秀ライダーにバレンティーノ・ロッシ選手が主宰する「VR46 Riders Academy」への参加資格を付与し、若手ライダーの育成とモチベーションアップを図ります。
全日本ロードレース最高峰:JSB1000クラスには今年もファクトリー体制で臨む「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」の中須賀克行選手が参戦。監督は吉川和多留さん。このコンビで前人未踏の5連覇、7度目のチャンピオン獲得を目指します。
「昨年前半は”ファクトリーはこうあるべき”というイメージに縛られていたけど、勝利というひとつの結果を得るためにチームもスタッフもライダーも一丸となって向かっていく、というのはファクトリーになる前からと何ら変わらないとシーズン途中から気付き、ライダーとしてやるべきことをやりました。今年ファクトリーとして2年目だけど今年もやることは変わりません。むしろ”ヤマハファクトリーは強いぞ”と周りに圧をかけられるかな(笑)。昨年は全戦全勝を達成できなかったので今年はそこを一つの目標に頑張り、5連覇、7度目のチャンピオン獲得を狙います」と中須賀選手。気負うこともなく、まだまだ速くなるポテンシャルを秘めているというYZF R1の熟成を楽しみにしているようでした。
今年も若手育成を目的としたユースチーム「YAMALUBE RACING TEAM」に野左根航汰選手、藤田拓哉選手が参戦。監督は難波恭司さんです。
「昨年は3位ですけど表彰台に登れました。今年は優勝を狙いたいです。中須賀選手の壁はとてつもなく大きいけれど越えようと思わなければ実現できない。そのために何が必要なのか、何が足りないのか、を見極めながら精進したいと思います」と野左根航汰選手。
「昨年前半はケガのためにほとんど走れませんでした。今年は結果を残して悔いのないレースをしたいと思います」と藤田拓哉選手
そして、今年アジアロードレース選手権最高峰クラス:SS600にメーカー系の「YAMAHA RACING TEAM」を発足、伊藤勇樹選手の起用が発表されました。チームメイトにマレーシア出身のハマド・フィトリ・アシュラフ・ビン・ラザリ選手を迎えます。伊藤選手はアジアロード選手権で4年連続シングルランキングを獲得と実力では申し分ありません。「メーカー系のチームに入れたことを嬉しく思います。アジアロード全戦と日本国内で開発テストを行います。アジアロード選手権は年々レベルが上がってきています。自分の中のモチベーションはとても高く今年はチャンピオンを狙っていきます」と伊藤勇樹選手。
いよいよ2016年シーズンが始まります。モータースポーツ活動に力を入れているヤマハの活動注目です。
photo & text : koma
(レースシーンは2015年の写真です)