2016全日本ロードレース最終戦 鈴鹿サーキット 決勝レース1/レース2

2016/11/07

AS8Q8154中須賀克行、史上初の5年連続チャンピオン、7回目のタイトル!

未だかつて誰も実現できなかったことを中須賀克行というオトコは成し遂げました。全日本ロードレース最高峰クラスで5年連続チャンピオン、そして通算7回目のチャンピオン獲得です。

チャンピオンって言葉で言うのは簡単だけど、1年を通して絶対にミスできない、負けられない、常に上位にいなくてはならない、並大抵の精神力ではできません。しかもそれを5年も連続で続けるなんて想像を絶する苦労があるはずです。

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最終戦はMFJグランプリとして開催、ポイント対象順位全てに3点が加算され、優勝すると28ポイント。JSB1000クラスは2レース行われるのでダブルウィンすると56ポイントゲットとなります。

第8戦終了時点のポイントランキングトップは中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)140ポイント(Pts.)、計算上では92Pts.の6位野左根航汰(YAMALUBE RACING TEAM)までチャンピオンの可能性はありますが、中須賀が最もチャンピオンに近い位置にいます。2位津田拓也(ヨシムラ スズキ シェルアドバンス)は113Pts.。中須賀が20位以内・津田の前でゴールすればチャンピオン決定です。

しかしここまで勝ちにこだわってきた中須賀がそんなチャンピオンの獲り方を望むわけがありません。

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午前11時5分、8周の超スプリントレースがスタート!ホールショットは中須賀が奪う、続いてレオン・ハスラム(Team GREEN)、津田の順に東コースを駆け上がります。
レースはわずか8周、中須賀は序盤から飛ばして後続を引き離して圧倒的な差をつけて逃げにかかるかと思いきや、レオンが食らいつきます。オープニングラップは、トップ中須賀、2番手レオン、その差、わずか0.319秒。3番手津田、4番手渡辺、5番手野左根、6番手加賀山就臣(Team KAGAYAMA)、7番手山口辰也(TOHO Racing)、8番手高橋巧(MuSASHi RT HARC-PRO.)、9番手秋吉耕佑(au & テルル・Kohara RT)、10番手今野由寛(MotoMap SUPPLY)の上位10台。

AS8Q7448中須賀のスイッチが入った!

2周目のデグナーひとつめでレオンが豪快に中須賀をかわしてトップ浮上!これで中須賀にスイッチが入りました。

「チャンピオンよりも絶対にこのレースで優勝してやる!」

最終シケインでギリギリのレイトブレーキングから中須賀がトップを奪い返します。これで諦めないのがレオン、次の周の同じデグナーで中須賀を再びズバッと抜いていきます。今度は中須賀がお返しとばかりにシケインでレオンのインを刺してトップ浮上!しかしホームストレートでレオンは中須賀のスリップから抜けると一気にイン側から中須賀をパス、再びトップに浮上します。

この手に汗握るバトルに会場内は大興奮!

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中須賀はレオンの後ろについて、速いところ、遅いところを冷静に分析「抜くならチャンスは一度」と決めていたと言います。

中須賀とレオンがバトルをしている間に津田がその差を詰めますが、次第にペースが上がらなくなり、5周目のヘアピンで渡辺、野左根にかわされ5番手に下がってしまいます。代わって3番手に浮上した渡辺は中須賀をレオンと挟んで三つ巴のバトルを展開します。野左根はMCシケインで止まりきれずにオーバーラン、その隙に津田が4番手に浮上します。

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6周目のバックストレート、中須賀はスリップに入るが抜けない。シケイン進入で思い切りインベタのラインから強烈なレイトブレーキ、そこでレオンのインを刺してトップを奪い返すと、ストレートではレオンがスリップに入るのを嫌い、ラインを変えて1コーナーに進入、トップを守ります。

そこで勝負ありました。中須賀は一気にスパート、なんとファイナルラップにベストラップの2分6秒343をたたき出し、トップチェッカー!レオンとの勝負に勝つと同時に全日本ロードレース最高峰クラス5年連続チャンピオンと7度目のチャンピオン獲得という前人未踏の記録を打ち立てました。2位にレオン、3位に渡辺、とカワサキが2位、3位表彰台を獲得、4位に津田、5位に野左根が入りました。

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 波乱のレースを中須賀が制し、ダブルウィン!

レース2は午後3時5分にスタート。

ホールショットは中須賀が奪い、津田、渡辺の順で第1コーナーに進入、しかしここでなんと10番グリッドから一気にジャンプアップした加賀山が2番手でS字コーナーを立ち上がります。しかし2周目のホームストレートで加賀山がハイサイド転倒、そこにレオン、渡辺の2台が絡む多重クラッシュが発生して赤旗中断となります。

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赤旗中断後の再スタート、ここでホールショットを決めたのはレオン、津田、3列目7番グリッドから藤田拓哉(YAMALUBE RACING TEAM)がジャンプアップ、中須賀と続いて第1コーナーに進入します。藤田はダンロップコーナーでトップに立ちます。しかしバックストレートでレオンが藤田をパス、さらにシケインで中須賀も藤田をパス、オープニングラップは、レオン、中須賀、藤田、津田、野左根のトップ5。

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レオンはレース2開始直後ののアクシデントで時速200km/h近い高速で転倒、両手首を痛めているにも拘わらずホールショットを決め、トップを快走します。トップを奪った藤田は徐々にラップタイムペースが下がって津田、野左根、高橋にかわされ6番手にポジションを下げてしまいます。

5周目のシケイン、津田が痛恨のスリップダウンの転倒、その際に左手を強打しますがマシンを起こして17番手でコース復帰します。

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レース2は20周のロングディスタンスレース、タイヤマネジメントを含め戦略が必要になるレース。中須賀はレオンの後ろで前に出る機会を覗っています、その機会とはバックマーカーの出現。
中須賀は15周目のMCシケインでレオンをパス、ここからスパートをかけます。なんとレース終盤の16周目にバックマーカーをかき分けながら2分6秒台を連発、18周目には2分6秒662のベストタイムをたたき出します。後続はついて行けません。そのまま中須賀はトップチェッカー、最終戦をダブルウィンで締めくくります。
2位にはレオン・ハスラム。3位には野左根をかわした高橋が表彰台を獲得しました。

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 これで2016年の全日本ロードレースは全て終了。中須賀克行が前人未踏の最高峰クラス5連覇という快挙を達成しました。ランキング2位には津田拓也、3位に高橋巧。来年はスズキ、ホンダが新型マシンを投入します。中須賀包囲網はさらに狭まるでしょう。来年も手に汗握るバトルを期待できます!

全日本ロードレース最終戦 鈴鹿「MFJ GRAND PRIX SUPERBIKE RACE in Szuzuka」決勝レース1の上位10位結果は以下の通りです。

優勝:#1  中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2位:#91 レオン・ハスラム Team GREEN
3位:#26 渡辺一樹 Team GREEN
4位:#12 津田拓也 ヨシムラ スズキ シェルアドバンス
5位:#7 野左根航汰 YAMALUBE RACING TEAM
6位:#634 高橋巧   MuSASHi RT HARC-PRO
7位:#71 加賀山就臣 Team KAGAYAMA
8位:#104 山口辰也 TOHO Racing
9位:#090 秋吉耕佑 au & テルル・Kohara RT
10位:#15 藤田拓哉 YAMALUBE RACING TEAM

全日本ロードレース最終戦 鈴鹿「MFJ GRAND PRIX SUPERBIKE RACE in Szuzuka」決勝レース2の上位10位結果は以下の通りです。

優勝:#1  中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2位:#91 レオン・ハスラム Team GREEN
3位:#634 高橋巧   MuSASHi RT HARC-PRO
4位:#7 野左根航汰 YAMALUBE RACING TEAM
5位:#104 山口辰也 TOHO Racing
6位:#15 藤田拓哉 YAMALUBE RACING TEAM
7位:#71 加賀山就臣 Team KAGAYAMA
8位:#090 秋吉耕佑 au & テルル・Kohara RT
9位:#12 津田拓也 ヨシムラ スズキ シェルアドバンス
10位:#32 今野由寛 MotoMap SUPPLY

photo & text : koma

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