寒さと強風に見舞われたART合同走行。トップは中須賀、2番手に渡辺一樹、3番手濱原颯道
全日本ロードレース開幕戦は二日目ART合同走行を迎えた。4月になったと言うのに真冬のような寒さ。朝9時の気温は6度、路面温度は9度（手元計測）。さらに昨夜来の雨で路面はハーフウェット。午前・午後40分間ずつの走行枠の１本目はほとんどのチームが走行しなかった。
午後には天気は回復して好天となるが冷たい強風が吹き続けた。そのためタイヤに熱を入れても冷えてしまい、多くのライダーが走りにくさを訴えていた。そんな中で連日のトップは1分48台に入れた中須賀克行（YAMAHA FACTORY RACING TEAM）1分48秒896。中須賀もグリップ不足に悩まされた。
「いろいろ試したいことがあったのですが午前中の走行ができなかったのが残念でしたね。午後は晴れたものの路面状況が良くなくてグリップ感がなかったです。この寒さとコンディションには今日のセットはちょっと合わなかったので明日は違う方向に振って予選を戦います。それが決勝にどう転ぶかっていうのを見ていこうと思います」
2番手は渡辺一樹（YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN）1分49秒045。連日の2番手、世界耐久でチャンピオンを獲ったマシンそのままで参戦している。
「午前中の走行ができなかったので時間的にタイトになってしまいましたが現状における問題点を洗い出せました。やりたい方向性もしっかり確認できてバイク的に順調に仕上がっているかなという印象です。風が強くて走りにくかったですが、気温の低さはあまり気になりませんでした。明日の予選は早い時間帯なのでそこに向けてアジャストしていきます。」
3番手は濱原颯道（Honda Dream RT桜井ホンダ）1分49秒965。49秒台に入れてきた。体格の大きさから走りにも工夫が必要な濱原。今日はタイヤに熱を入れにくいライダーが多かったが体重がある濱原は熱が入りやすく、こういう状況ではアドバンテージがあるという。
「マシンのセットはほぼ決まっています。今日はアベレージを高く刻めるようにタイヤが減ってきたらどんな制御するかとかいうことを重点的に調整しました。49秒台にもう一度入れたかったのですが、ちょっと欲張ったらオーバーランしちゃいました。自分の体重は今回は強みだと思うので活かして戦いたいと思います。」
4番手は亀井雄大（Honda Suzuka Racing Team）1分50秒223。今シーズンから投入した新しいスィングアームのフィーリンが良く、一週間前のテストでも好感触を得ていた。本調子は今日のタイムでわかると言っていたが亀井もコンディションに翻弄された。
「風が強くてタイヤがすぐに冷えてしまいましたが周りと同じようなタイムを出せたのはまずまずかなと思います。但しこのままでは中須賀さんは逃げてしまうので明日の予選は大きく振って勝負したいと思います。ダメだったら元に戻します。初日に49秒6まで出したセットはあるのでそこから詰めていきます」
5番手はルーキーながらファクトリー入りした岡本裕生（YAMAHA FACTORY RACING TEAM）1分50秒479。岡本も苦戦した。
「全然タイヤに熱を入れることができませんでした。初めてJSBマシンに乗った時に戻されてしまった感覚です。何もできなかったことが悔しいです。明日も今日と同じ寒さが予想されるので、タイヤに熱を入れる乗り方を意識して前に進みたいと思います」
明日は今日よりも寒いとの予報。しかも予選は朝の10時から。季節外れの寒さに対応できたチームが勝てる状況になってきた。
全日本ロードレース開幕戦 もてぎ ART合同走行上位10位は以下の通り。
1：中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 1’48.896
2：渡辺 一樹 YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN 1’49.045
3：濱原 颯道 Honda Dream RT桜井ホンダ 1’49.965
4：亀井 雄大 Honda Suzuka Racing Team 1’50.223
5：岡本 裕生 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 1’50.479
6：津田 一磨 BabyFace Powered by YOSHIMURA 1’50.890
7：岩田 悟 Team ATJ 1’50.908
8：作本 輝介 Astemo Honda Dream SI Racing 1’50.930
9：秋吉 耕佑 Murayama.Honda Dream.RT 1’51.035
10：星野 知也 ONE RT SYNCEDGE4413 BMW 1’51.244
Photo & text：Toshiyuki KOMAI
