驚愕の速さ!水野涼が2分5秒1をマーク!ヨハン・ザルコの囲み取材も開催。鈴鹿8耐事前テスト2日目

2024/06/21

2分5秒162! 水野涼が驚愕の速さで2日目総合トップに立った。今日は80分と90分の走行枠が1本ずつ。午前中の走行ではチームメイトのジョシュ・ウォータース、ハフィス・シャーリンを引っ張る。この一緒に走ることが大きな意味を持つと言う。「自分のマシンを客観的に見られることは収穫が多いです。普段は自分ひとりだけなので後ろで走ってみなければわからない新しい発見があり、チームメイトから教えてもらっています」

これで水野は1回目のメーカー合同テスト、今回のテストと2回トップタイムで締め括った。一発のタイムもアベレージも速い。この4月にシェイクダウンしたばかりのマシンとは思えない成長である。

「昨日のロングで非常に良いタイムでラップできたので今日は気持ちに余裕のある状態でテストメニューをこなせました。また、二人のライダーのタイムの底上げもできたのが良かったです」

「昨日は一番暑い時間帯に6秒〜7秒台前半でアベレージを刻めました。涼しかったからと言う条件はつきますが今日は5秒台を連発、そして6秒台でラップし続けられたことにマシンの進化を感じますし、自信に繋がりました」

「鈴鹿8耐はたくさん走り込みができるのが良いですね。ここにきてやっとこのマシンで走るスタイルが理解できてきました」
「このテストを通して非常に良い方向に進んでいると確信できました。1回目のテストではタイムアップを狙って最後に転倒してしまいましたが今回は誰も転ばなかったことも良かったです」全日本ロードレース後半戦に向けても良い方向に推移しているようだ。

総合2番手はYAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team。2’05.655。5秒台に入れてきた。総合3番手もYART。EWCにフル参戦しているチームはあまり一発のタイムに拘らないが最近のYARTは一発のタイムも速い。しかも3人とも5秒台に入れている。3人のアベレージタイムの速さがYARTの強さだ。

総合4番手はTeam HRC 2’06.385。この日は名越哲平とヨハン・ザルコがメインでテスト。午後にはロングラップを実施、高橋巧が作ったマシンを2人が乗りこなすテストがメインとなった。HRCといえば毎年長島哲太がマークするトップタイムも注目のひとつだ。鈴鹿サーキットのコースレコード2’03.592を保持する高橋にその点を聞いてみたところ「あまり興味はありません」との回答。

「ポールポジションが大きな意味を持つならもちろん狙います。ですが鈴鹿8耐ではあまり大きな意味はありません。当然トップを狙いますが結果として付いてくれば良いかなと思います。まぁ、ポールポジションの賞金が出るなら狙いますけどね(笑)」

今年は高橋巧がエースライダー。ホンダワークスのエースだから重圧も相当なものだろう。「そんなことないですよ、いつも通り淡々とメニューをこなして勝ちを狙いに行くだけです」とポーカーフェイス。いかにも高橋らしい。

総合5番手はYOSHIMURA SERT Motul 2’06.580。渥美心も精力的に周回を重ねる。日本で開催される世界選手権なので日本人ライダーの渥美に活躍して欲しいと期待する。

テスト終了後、現役MotoGPライダー:ヨハン・ザルコの囲み取材が行われた。

鈴鹿サーキットの印象は?

「鈴鹿サーキットは初めて走りました。思っていたより難しいサーキットだな、というのが第一印象です。特別なスキルがないと攻略できないと理解していたのでそこに合わせて走り込みました。このチャレンジングなサーキットを走れることはとても光栄です。2日間でだいぶ慣れました。次回はレースウィークになりますがさらにタイムアップを図りたいと思います」

初めての耐久仕様バイクの印象は?

「MotoGPマシンとは違いライダーに優しいバイクだと思いました。レスポンスが非常に高く素晴らしいバイクです。耐久レースですので燃費を考慮した走りも必要ですし、普段の乗り方とは違います。そこに上手に合わせているのが高橋巧選手です。自分も彼のように乗り方をアジャストしていきたいと思います。また、この鈴鹿8耐の経験は今後のMotoGPの戦い方に良い影響を及ぼすと確信しています。ちなみに自分はCBR1000RRでトレーニングしています。もちろん市販車ですのでファクトリーマシンとは違いますがベースは同じなので通じるところはあると思います」

ブリヂストンタイヤの印象は?

「MotoGPはミシュランタイヤですのでブリヂストンは初めてです。当然ミシュランとはキャラクターも乗り方も違いますが、ブリヂストンは耐久レースに非常に向いているなと感じました。特に、走り出しから走行終了間際まで同じグリップ感を感じて、安定したパフォーマンスを発揮していると思います。また、ホンダの耐久マシンとの相性も抜群だと思います。」

いよいよ一ヶ月後に迫った鈴鹿8時間耐久ロードレース。例年以上に話題豊富な今年の鈴鹿8耐。どんなドラマが観られるのだろうか。

鈴鹿8耐事前テスト2日目総合上位10位は以下の通り

1:#2T DUCATI Team KAGAYAMA 2’05.162
2:#1T YAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team 2’05.655
3: #1 YAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team 2’06.096
4:#30 Team HRC 2’06.385
5:#12T YOSHIMURA SERT Motul 2’06.580
6:#12T YOSHIMURA SERT Motul 2’06.620
7:#30T Team HRC 2’06.671
8:#2 DUCATI Team KAGAYAMA 2’06.853
9:#71T Honda Dream RT桜井ホンダ 2’07.190
10:#17 Astemo Honda Dream SI Racing 2’07.303

Photo & text : Toshiyuki KOMAI