約3ヶ月のインターバルを感じさせないヤマハファクトリー。トップ岡本裕生、2番手中須賀克行、鈴鹿8耐で活躍した水野涼3番手。ART合同走行

2024/08/23

5月のSUGOから約3ヶ月、第5戦がモビリティリゾートもてぎで開幕。ヤマハファクトリーの2人は鈴鹿8耐に参戦していないのでインターバルが空いたが金曜日のART合同走行では総合ワン・ツー。こう言うところのまとめ方は上手である。3番手には鈴鹿8耐で活躍した水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)。

台風10号の遠い影響を受けてどんよりとした空模様のもてぎ。とにかく湿度が高い、加えて無風のためサウナにいるような感覚。そんなコンディションの中で総合トップは岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)1’48.423。

「1本目も2本目もトップで終えられたのは良かったのですが2本目で予定していたテスト項目を消化できずにタイムも思ったより伸びませんでした。四輪が走ると路面コンディションが結構変わります。

自分自身の調子も良いですし、この暑さの中でこのタイムをマークできたのはポジティブに捉えています。明日の予選はドライかウェットかハッキリしませんがどちらでも対応できるように準備したいと思います」

久しぶりの岡本は絞ってきた。

「はい。トレーニングで3kgくらい減りました。インターバルの間に体力づくりとテストコースでの走行を続けてバイクには乗っていましたのでその効果が出てきていると思います」

総合2番手は中須賀克行。1’48.482。中須賀も3ヶ月のインターバルが空き久しぶりのレース。コメントの第一声は「疲れました」。やはりこの湿度はライダーにとってもキツイ。

「やっぱり間が空くといきなりレース感を掴めませんね。自分たち以外のほとんどのチームは鈴鹿8耐を走っているので不利な状態にはあるけど自分たちもテストコースを走り込んでいたので準備は整っています」

「4月のもてぎはみんなアベレージが上がりましたがこの暑さと湿度ではバイクのパフォーマンスもパワーの出方も違うので、4月の状況を追い求めず今のコンディションに合わせられるかがポイントだと思います。とは言え、去年の8月のもてぎよりもタイムは上がっているのでバイクの進化も感じられます」

「明日の予選は一発のタイムを求めず2列目までに入れれば良いかな、と思っています。それよりも決勝を見据えて走行時間を有効に使いたいたいと思います。今大会は走行時間が少なくてまだ自分のリズムも作れていないのでそう言うことに時間を使いたいと思います」

中須賀から予選で狙わないと言う言葉が出てきたのは意外であったが、大事なのは勝つことなのでその準備をしっかりとすると言うことだろう。

総合3番手は水野涼、1’48.657。鈴鹿8耐では表彰台にあと一歩。スプリントで世界チャンピオンを獲ったマシンだが耐久レースは未経験、それを表彰台争いをするところまで仕上げたのは驚くべき活躍だ。鈴鹿8耐で長い距離を走れたことがすごい収穫だったと言う水野。自信を持ってもてぎ入りした。

「鈴鹿8耐で長い距離を走れた分アドバンテージがあるし自分の調子も良かったのですがヤマハファクトリーの2台が思っていた以上に速くて自分の描いていた初日にはなりませんでした。耐久仕様から全日本仕様に変えてまだ慣れていないと言う部分もあると思います。」

「鈴鹿8耐の経験は大きな収穫でした。マシンの乗り方もわかった気がしますし、チームメイトが走っているのを外から見られたことが大きいです。そこで感じたことを今日試してみて良いフィーリングを感じられたのでそう言う意味では前向きな初日だとも言えます」

「明日の予選は雨でもドライでも自分たちのやるべきことを淡々と行えば自ずと結果はついてくると思います。もてぎのコースはドゥカティに合っていると思うので後半戦の初っ端を勝利で飾って良い流れを作れればと思います」

コメントを語る水野の表情から自信が垣間見える。暗中模索の状態で少し不安があるような前半戦の表情とは明らかに違っていた。

総合4番手は野左根航汰(Astemo Honda Dream SI Racing)1’48.718

「1本目で出ていた症状を2本目でアジャストできたのでタイムが伸びました。やはり鈴鹿8耐参戦は収穫が多いですね。チームメイトに乗ってもらって自分では見えないところを修正できました。それが今回に活きてきていると思います」

総合5番手は津田拓也(AutoRace Ube Racing Team)1’48.903。

明日のコンディションは微妙だ。予報では14時から雨。予選は12:45〜13:25。ギリギリ回避できるか雨の降り出しが早まるのか。できればドライで開催してほしい。

全日本ロードレース第5戦 モビリティリゾートもてぎ ART合同走行上位10台は以下の通り。

1:#2 岡本 裕生 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2 1’48.423
2:#1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 1’48.482
3:#3 水野 涼 DUCATI Team KAGAYAMA 1’48.657
4:#32 野左根 航汰 Astemo HondaDream SI Racing 1’48.718
5:#6 津田 拓也 AutoRace Ube Racing Team 1’48.903
6:#33 高橋 巧 JAPAN POST HondaDream TP 1’49.053
7:#30 長島 哲太 DUNLOP Racing Team with YAHAGI 1’49.422
8:#10 岩田 悟 Team ATJ 1’49.647
9:#9 伊藤 和輝 Honda Dream RT SAKURAI HONDA 1’49.870
10:#23 津田 一磨 Team BabyFace 1’49.961

Photo & text: Toshiyuki KOMAI