「ストップ・ザ・中須賀」こんな言葉がパドックを行き交っていますが、全日本ロードレース第6戦オートポリス、JSB1000クラスの決勝レースは中須賀克行選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が圧倒的な強さを魅せて今シーズン4回目のポール・トゥ・ウィンを達成しました。
中須賀選手、スタートでフロントが大きく浮いてしまい、ホールショットは渡辺一樹選手(TEAM GREEN)が奪います。続いて津田拓也選手(ヨシムラ スズキ シェルアドバンス)、高橋巧選手(MuSASHi RT HARC-PRO.)、中須賀選手は4番手で第1コーナーに進入します。しかし、第1ヘアピンで高橋選手、津田選手をかわして2番手に浮上、オープニングラップは渡辺選手、中須賀選手、高橋選手、津田選手、柳川明選手(TEAM GREEN)のトップ5。
「四輪の走行後だから朝フリーよりもグリップ感がなかった」という中須賀選手、序盤は高橋選手の後ろで様子を見ながら走行を重ねます。中盤までトップ5台に順位の変動はなく小康状態が続きます。
レースが動いたのは9周目、第2ヘアピンで渡辺選手が中須賀選手を抜きます。「このまま中須賀選手の後ろにいたらスパートをかけられて逃げられる。何とか前に出て後ろの人にとって苦しいペースで走ろうと思った」という渡辺選手のこの行動が中須賀選手のスイッチを入れてしまいます。「49秒中盤のペースで走っていたら一樹君に抜かれたので、このペースでは後ろから仕掛けられるんだなと思ってスイッチを入れてスパートした」と言う中須賀選手、1分48秒638のファステストラップですぐさま渡辺選手を抜き返し、翌周の第1コーナーで高橋選手をかわしてトップに立つと後続との差を広げながらそのままトップチェッカー!第2戦オートポリスから負けなしの4連勝です。
鈴鹿8耐後のRacing Heroesで取材した時にコメントしていた「バイクに乗ることの楽しさをMotoGPライダー二人に思い出させてもらったので後半戦が楽しみ」をレース後に聞いてみました。すると「このレースウィーク、メチャクチャ楽しかった。バイクとますます仲良くなって、走る度に楽しさが増していった」と中須賀選手。この辺りにも強さの秘密があるのでしょうか。。
2位には津田選手「タイヤがタレてきても速く走れるマシンの造り方と走り方をした」という言葉通り後半にベストを連発。1分48秒台に入れる快走を見せて2位表彰台を獲得します。渡辺選手は悔しい3位表彰台でした。
JSB1000クラス決勝レース上位10位は以下の通りです。
優勝:中須賀克行選手 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2位:津田拓也選手 ヨシムラ スズキ シェルアドバンス
3位:渡辺一樹選手 TEAM GREEN
4位:高橋巧選手 MuSASHi RT HARC-PRO.
5位:野左根航汰選手 YAMALUBE RACING TEAM
6位:山口辰也選手 TOHO Racing with MORIWAKI
7位:柳川明選手 TEAM GREEN
8位:ジョシュ・フック選手 F.C.C. TSR Honda
9位:中富伸一選手 HitMAN RC甲子園ヤマハ
10位:藤田拓哉選手 YAMALUBE RACING TEAM
photo & text : koma