中須賀克行、オートポリス2連勝!高橋巧2位、津田拓也3位でランキングトップトップを守る。
#1中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が今シーズン2勝目を挙げる。終盤までレースをリードしていた#634高橋巧(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)は悔しい 2位。3位に#12津田拓也(ヨシムラスズキMOTULレーシング)が入る。ランキングトップは津田が守るもポイント差は3ポイントに縮まり混沌としてきた。
全日本ロードレース第7戦「AUTOPOLIS SUPER 2&4 RACE 2017」の決勝レースが開催された。朝7時には入場ゲートへ続く道が大渋滞。大勢のお客様が詰めかけ、九州のモータースポーツ人気を示している。カラリとした気持ち良い晴天のもと、通常よりもかなり早い時間帯の午前10時20分に19周の決勝レースがスタートした。
ホールショットを決めたのはオートポリスをホームコースとする#23渡辺一馬(Kawasaki Team GREEN)。予選4番グリッドの高橋巧が2番手、中須賀克行3番手、津田田が4番手、ポールポジションの#5野左根航汰(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)は出遅れて5番手で第1コーナーへ進入する。続く3コーナーで高橋が渡辺をとらえてトップに浮上すると、そのままオープニングラップを制する。
以下、高橋—渡辺—中須賀—津田—野左根—#9藤田拓哉(YAMALUBE RACING TEAM)—#104山口辰也(TOHO Racing )—#71加賀山就臣(Team KAGAYAMA)—#50濱原颯道(ヨシムラスズキMOTULレーシング)—#87柳川明(Kawasaki Team GREEN)の上位10台。
2周目のホームストレートで中須賀が渡辺をパス、2番手に浮上するとトップ高橋を追う。渡辺も中須賀に張り付き、上位3台はほぼ等間隔で走行する。その後方では、野左根が第2ヘアピンで津田をかわして4番手に浮上すると渡辺に接近して先頭グループは4台のパックとなる。
野左根は早くも3周目に48秒台に入れるとその先の第1ヘアピン進入で渡辺のインを刺して3番手に浮上する。ここから、高橋—中須賀—野左根の3台による超接近戦、神経戦が始まる。
先頭の3台から徐々に遅れ始めた渡辺の背後に津田が迫る。7周目に自身のベストタイム1分48秒885を出すとホームストレートで渡辺をかわして4番手に浮上する。
トップ3台は10周にわたりテール・トゥ・ノーズのバトルを展開する。高橋のすぐ後ろにつける中須賀は走りを見極めるだけに留まらず、要所要所で自分の存在を知らしめ、プレッシャーを与える。しかしその中須賀の後ろから野左根が突っつく。「(高橋)巧の後ろから様子を見ていたが(野左根)航汰がチャチャを出してきた」と中須賀。前と後ろに神経を尖らせることになる。
高橋も「エンジン音が大きく聞こえたのですぐ後ろから様子を見てるな、と思った」と中須賀の存在を気にしながら、でもタイムを落とさず走らなければならなかった。
この3台の接近戦は超ハイレベルで展開される。それはラップタイムをみてもわかる。共に100分の数秒の違いで前後を気にしながらハイスピードで走行していた。
11周目 高橋:1’49.012、中須賀:1’49.082、野左根:1’49.115
12周目 高橋:1’49.205、中須賀:1’49.190、野左根:1’49.180
13周目 高橋:1’48.916、中須賀:1’48.855、野左根:1’48.845
13 周目には3人とも揃って48秒台に入れ、野左根はファステストラップを記録する。
しかしこのハイレベルな三つ巴のバトルは15周目の第1コーナーで野左根が止まりきれずにオーバーラン、順位を7番手に落として優勝争いから脱落したところで終わりを告げ、今度は高橋巧と中須賀の一騎打ちとなる。
16周目の第2ヘアピン、満を持して中須賀が高橋巧をかわしてトップに浮上する。
中須賀は手綱を緩めること無く49秒台前半の驚異的なタイムで周回を続ける。高橋は50秒台前半、これで勝負は決まり、中須賀が高橋に約3秒の差をつけて今シーズン2勝目、オートポリスでは2連勝を飾った。「嬉しい気持ちでいっぱいです。」と素直に喜ぶも「後ろからマージンをみていたが、巧選手のペースが速く、後ろからは勢いのある野左根が迫ってきたのでタイヤを温存させられなかったが前に出てからは収集して走った」「今年はトップを走っていながら終盤に転倒していた。コーナー毎に(転倒の)悪夢が甦り、慎重に走りながらも緩めれば追いつかれるのでタイムを出しながら走らなければならず、ラスト4周は非常に長く感じた」と中須賀。
高橋は悔しい2位表彰台。「自分が前に出てペースを作る展開を考えていたのである程度イメージ通りになりましたが、思っていたペースで走れず中須賀選手が後ろで様子を見ているのはわかっていましたが、押さえるのが精一杯で今日は何もできずに悔しいレースでした」
3位に津田が入った。「金曜日の走り出しが良かったのでそこからタイムを詰めようといろいろとセットを試したのですが上手く決まらなかったのが敗因です。決勝レースも序盤にタイムを詰められずトップ3台の速さについていけず差が開いてしまいました。たまたまそこを走行していたら表彰台に乗れた、という感じで悔しいレースでした」
4位に渡辺、5位に藤田、6位に山口、7位に野左根、8位に濱原、9位に柳川、10位に高橋裕紀、のトップ10であった。
ランキングトップは津田が守り137ポイント、2位に高橋巧:134ポイント、3位に渡辺一馬:128ポイントとなっている。今シーズンも次戦岡山大会と鈴鹿の3戦(最終戦鈴鹿は2レース)となり、チャンピオン争いも接近戦となっている。
全日本ロードレース第7戦「AUTOPOLIS SUPER 2&4 RACE 2017」決勝レース上位10位結果は以下の通り。
優勝:#1 中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2 : #634 高橋巧MuSASHi RT HARC-PRO. Honda
3 : #12 津田拓也 ヨシムラスズキMOTUL Racing
4 : #23 渡辺一馬 Kawasaki Team GREEN
5: #9 藤田拓哉 YAMALUBE RACING TEAM
6 : #104 山口辰也 TOHO Racing
7 : #5 野左根航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
8 : #50 濱原颯道 ヨシムラスズキMOTUL Racin
9 : #87 柳川明 Kawasaki Team
10 : #72 高橋裕紀MORIWAKI MOTUL RACING
Photo & text :Toshiyuki KOMAI