優勝:中須賀克行、2位:野左根航汰、ヤマハファクトリーが1-2フィニッシュ!3位:JSB1000初表彰台モリワキの高橋裕紀!
中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が2連勝、2位に野左根航汰(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が入り、ヤマハファクトリーがワン・ツーフィニッシュを決めた。3位はモリワキ!最高峰クラス復帰後初の表彰台、高橋裕紀(MORIWAKI MOTUL RACING)はJSB1000クラス初表彰台を獲得した。
全日本ロードレース第8戦「スーパーバイクレースin 岡山」の決勝レース日も晴天ながら雲が多くやや肌寒さを感じる気候。
ホールショットはポールポジションの中須賀が奪う。2番手は高橋裕紀(MORIWAKI MOTUL RACING)、そして予選5番手清成龍一(MORIWAKI MOTUL RACING)が抜群のスタートを決めて2コーナーを3番手で進入する。
オープニングラップは、中須賀、高橋裕紀、清成、渡辺一馬(Kawasaki Team GREEN)、津田拓也(ヨシムラスズキMOTULレーシング)、野左根、加賀山就臣(Team KAGAYAMA)、高橋巧(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)、藤田拓哉(YAMALUBE RACING TEAM)、山口辰也(TOHO Racing)のトップ10。
中須賀は早くも2周目に1分28秒3、5周目には28秒153と27秒台も見えるファステストラップを刻んでリードを広げる。事前テストから速さを見せていた中須賀、レースウィークに入ってからもその速さは変わらず、予選ではただ一人27秒台に入れる圧倒的な速さを見せる。
決勝レースでも安定して28秒台前半のタイムで周回、一度もトップを譲ることなく2位に10秒180もの大差をつけるぶっちぎりの独走で2連勝、今季3勝目を飾る。
「金曜日から調子が良かったので”中須賀が勝つだろうな”という周りの雰囲気がプレッシャーになった」「今年はコケるか勝つか、のレースをしてきたので、オートポリス、岡山と2連勝して少し自信を取り戻した」と神妙なコメント。
予選3番手の野佐根はスタートで出遅れ、6番手でオープニングラップを通過。2周目に渡辺、3周目に津田をかわして4番手に浮上すると8周目に清成をかわして3番手にまで浮上する。野佐根は前を走る高橋裕紀とほぼ同じ29秒台前半のラップタイムからレース中盤でペースアップ。15周目にレースベストタイムの1分28秒659を出すと28秒台を連発、ついに17周目のバックストレートで高橋裕紀を捉えるとヘアピンでインを突いて2番手浮上。その後も28秒台で周回するが序盤の遅れを取り戻すことはできず2位でチェッカーを受ける。
「スタートで直後の1コーナーの位置取りが悪く序盤で遅れてしまいました。高橋裕紀選手になかなか追いつけなくて焦りましたがなんとか2位入れて良かったです」「反面、中須賀選手にかなり差をつけられての2位なので悔しいです」と野佐根。
今大会、注目を集めたのがMORIWAKI MOTUL RACING。高橋裕紀、清成は序盤に1分28秒台後半、29秒前半のタイムで周回を重ね、2番手/3番手をランデブー走行する。予選では柔らかめのタイヤで2番グリッドを獲得した高橋裕紀、決勝日の朝フリーで温度が上がらないと確認するとタイヤをスイッチ。「決勝レースではどんなタイムで周回できて、何周保つのか未知の世界で臨んだ」と言うがタイヤを上手くコントロール、ピレリタイヤの性能とマッチして野佐根にかわされながらも見事3位表題を獲得した。
「後半、スライドが大きくなりながらもコントロールしながら走れた。ピレリタイヤに感謝したい」と高橋。モリワキの最高峰クラス復帰後初の表彰台をプレゼントした。
清成はチャタに悩まされながらの走行で徐々にラップタイムペースが落ちてしまい、8位でフィニッシュする。
オープニングラップ、渡辺、野佐根、津田の三つ巴のバトルを展開していたが、3周目に野佐根にかわされた津田は5番手を走行、5周目に1分28秒717のレースベストをマーク、8周目に清成をかわして4番手に浮上するも、16周目にマイナートラブルから29秒6までラップタイムがダウン、野佐根に追いつくことができず4位フィニッシュ。
しかし、高橋巧が6位フィニッシュに終わったことでシリーズポイントを6ポイントに広げてシリーズランキングトップのまま最終戦鈴鹿に臨む。
「想定タイム(28秒後半から29秒前半)で走ることはできたが、ライバル達の進歩が我々を上回ったウィークとなった。2ヒート制の最終戦では6ポイント差は無いに等しい」と悔しがる津田。ライダー、チームのセッティングでできることは限られている。ハード面でのアップデートが必要なのかもしれない。
今シーズン序盤、16.5インチの感覚でコーナリングに進入するとフロントタイヤの踏ん張りが足りないと感じられ、17インチへの対応に悩まされた中須賀。岡山では「17インチのタイヤのインフォメーションが伝わるセットとパーツを組み入れた」感覚を掴んだ中須賀は速い。金曜、土曜、日曜、と一度も中須賀の前を走るライダーがいない完全優勝を果たした。しかも岡山では7年連続の優勝となる。
次戦はいよいよ最終戦。混沌としたチャンピオン争いは鈴鹿で決着がつく。
全日本ロードレース第8戦「スーパーバイクレースin 岡山」決勝レース上位10位は以下の通り。
優勝:#1 中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2:#5 野左根航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
3:#72 高橋裕紀 MORIWAKI MOTUL RACING
4:#12 津田拓也 ヨシムラスズキMOTULレーシング
5:#23 渡辺一馬 Kawasaki Team GREEN
6:#634 高橋 巧 MuSASHi RT HARC-PRO. Honta
7:#9 藤田拓哉 YAMALUBE RACING TEAM
8:#88 清成龍一 MORIWAKI MOTUL RACING
9:#71 加賀山就臣 Team KAGAYAMA
10 : #50 濱原颯道 ヨシムラスズキMOTULレーシング
Photo & text :Toshiyuki KOMAI