2017鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝

2017/08/01

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またしてもこのオトコが記録を樹立した。#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM中須賀克行が日本人初の鈴鹿8時間耐久ロードレース3連覇、ヤマハとしても3連覇を達成した。中須賀克行を中心に、昨年もチームメイトだったアレックス・ロウズ、新加入のマイケル・ファンデル・マークをヤマハがバックアップ。まさに盤石の体制を敷いて臨んだYAMAHA FACTORY RACING TEAMの圧勝であった。

2位は#11 Kawasaki Team GREEN渡辺一馬/レオン・ハスラム/アズラン・シャー・カマルザマン組、3位は#5 F.C.C. TSR Honda ドミニク・エガーター/ランディ・ドゥ・プニエ/ジョシュ・フック組。

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決勝日の朝も低く垂れ込めた黒い雲に覆われた鈴鹿サーキット。朝のフリー走行が始まると雨が降り出しウェットコンディションとなる。通り雨だったので決勝レースが行われる頃にはドライコンディションに戻る。結局今年は灼熱の太陽が照りつける真夏の8耐ではなく比較的涼しい8耐となった。

午前11:30、8時間後の栄光のチェッカーを目指して決勝レースがスタートした。

ホールショットは#11レオン・ハスラムが奪う。#634高橋巧(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)、#25 日浦大治朗(Honda Suzuka RacingTeam)、#21中須賀の順に第1コーナーに進入する。2コーナーで#71ハーフィス・シャハリン(Team KAGAYAMA)が5番手に浮上、S字で#634高橋がトップを奪う。オープニングラップは、#634高橋、#11レオン、#21中須賀、#71シャハリン、#5エガーター、#7ブロック・パークス(YART-YAMAHA)、#25日浦大治朗(Honda Suzuka Racing Team)、#104山口辰也(Honda Dream Racing)、#22ディマス・エッキー・プラタマ(SatuHATI Honda Team Asia)、#95生形秀之(S-PULSE DREAM RACING・IAI)の上位10台。

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2周目の第1コーナー進入で#21中須賀が#11レオンをかわして2番手に浮上、早くも2分8秒台前半のペースで#634、#21、#11の三つ巴のバトルが展開される。12周目あたりから雨が落ち始めると8秒台のペースから10秒台へ下がり、16周目に#21中須賀がトップを奪うも22秒台にまで一気に下がる。ウェットタイヤを用意するチームもあったが上位陣はドライタイヤのまま走行を続け、18周目に#634高橋が再びトップを奪う。

27周目、#21中須賀がルーティンのピットイン、アレックス・ロウズにライダーチェンジする。#634高橋は翌周の28周目にピットイン。しかしここでセーフティカーが入り高橋からライダーチェンジした#634ジャック・ミラーはピットロード出口で足止めをくらうも#21アレックスの前でコース復帰する。

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#11Kawasaki Team GREENは30周に渡辺一馬にライダーチェンジ、5番手でコース復帰、#5F.C.C. TSR Hondaは31周まで引っ張り4番手のままランディ・ドゥ・プニエにライダーチェンジする。第2スティント開始早々の32周目、#634ジャック・ミラーが#21アレックス・ロウズをパスしてトップに浮上する。しかし36周目の第1コーナーで#21アレックスが#634ジャックをパス、トップを奪い返すとその差をじわりじわりと広げ、50周目には5.548秒の差をつける。

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予選2番手スタートの#12津田拓也(ヨシムラスズキMOTULレーシング)はエンジン始動に時間がかかり11位まで順位を落とし、追い上げようとした矢先の2周目のシケインで転倒、自力でピットに戻るも3周遅れでコース復帰、優勝争いから脱落してしまう。

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第3スティント、#21YAMAHA FACTORY RACING TEAMはマイケル・ファンデル・マークにライダーチェンジ、#634MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaは中上貴晶にライダーチェンジ。#634中上が#21マイケルを激しくプッシュ。60周目に2分7秒824の7秒台をたたき出し、66周目にはその差を1.655秒にまで縮める。しかし70周目のヘアピンで#634中上が痛恨の転倒。マシン修復して中上のまま4番手でコース復帰する。

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中盤まで6番手を走行していた#71Team KAGAYAMA。2013年にはケビン・シュワンツをチームに招き入れ、ここ数年の鈴鹿8耐盛り返しのキッカケを作った加賀山就臣。いち早くMoto2ライダーを招聘したのも加賀山だった。今年もMoto2で活躍するハフィス・シャーリンを起用。しかし電気系のトラブルで順位を落としてしまう。しかも加賀山が脱水症状を起こしてしまい、終盤に加賀山でスパートをかけようとした作戦が崩れる。ハフィスが「自分が走るからボス(加賀山)は休んでくれ」と言ってくれたことが嬉しかった、と加賀山。今年は17位でチェッカーを受ける。

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今年の注目チームのひとつ、9年ぶりに鈴鹿8耐に復活する#19MORIWAKI MOTUL RACING。予選でもTOP10内に入り、第1スティントでは4番手まで順位を上げてモリワキファンの声援に応えた。その後も10番手前後を周回、上位入賞も期待されたが60周目のS字で清成が転倒を喫してしまう。それまでの2分11秒、10秒台から8秒台までペースを上げた矢先の転倒。自力でピットに戻りマシン修復後55番手でコース復帰。そこから怒濤の追い上げで27位でチェッカーを受けた。

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#634MuSASHi RT HARC-PRO.Hondaの転倒により2番手に上がった#5F.C.C. TSR Hondaと#11Kawasaki Team GREENの2番手争いが白熱してくる。#5 ランディ・ドゥ・プニエの背後に#11渡辺一馬 が迫り、抜きつ抜かれつのバトルを展開。

さらに第5スティントの131周目、#11レオン・ハスラムを#5ドミニク・エガーターが130Rでパス、#11レオンはシケイン進入で#5ドミニクを抜き返すがホームストレートで#5ドミニクが再度抜き返すと#11レオンは第1コーナーでオーバーラン、決着がついたかに見えたが、波乱は終盤に起こる。

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ゴールまであと約30分というところでセーフティカーが入る。2周のセーフティカーランが開けてレース再開した直後、#5F.C.C. TSR Hondaランディ・ドゥ・プニエのマシンから火が見えた。レーシングスピードに戻って火は消えたがオレンジボールの旗が振られ、ピットインを余儀なくされる。マシンに問題がないことを確認するとコースイン、しかしこの間に#11Kawasaki Team GREENが2番手に浮上、そのままチェッカーを受け、2年連続の2位表彰台を獲得した。3位はF.C.C. TSR Honda。

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単独トップ走行を続ける#21YAMAHA FACTORY RACING TEAM。その後も手綱を緩めることなく2分8秒台、9秒台でラップ、2位以下との差を広げていく。さらに驚くべきは117周目に#21アレックス・ロウズが2分6秒932の決勝レース中のコースレコードを更新!もはや手がつけられない状態となる。

そのまま216周を周回して#21YAMAHA FACTORY RACING TEAMが優勝、ヤマハの3連覇を達成した。

AB6I8782_2また、日本人ライダーとして初となる3年連続優勝を中須賀克行が成し遂げた。

#21YAMAHA FACTORY RACING TEAMは、3人とも安定して速いラップタイムで周回、チームのミスもマシントラブルもなく2位に2分9秒大差をつけてまさに盤石の勝利であった。

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#634MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaは4位でチェッカー、5位にはEWCフル参戦、第2戦から野左根航汰が参戦している#7 YART-YAMAHAが入った。2周目に転倒、最後尾68位まで順位を落とした#12ヨシムラスズキMOTULレーシングは7位でチェッカーを受けた。

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40回目の開催となる記念大会の2017年鈴鹿8時間耐久ロードレース 上位10位の結果は以下の通り

優勝:#21YAMAHA FACTORY RACING TEAM(中須賀克行/アレックス・ロウズ/マイケル・ファンデル・マーク組) 216周
2位:#11 Kawasaki Team GREEN(渡辺一馬/レオン・ハスラム/アズラン・シャー・カマルザマン) 216周
3位:#5F.C.C. TSR Honda(ドミニク・エガーター/ランディ・ドゥ・プニエ/ジョシュ・フック) 215周
4位:#634MuSASHi RT HARC-PRO. Honda(高橋巧/ジャック・ミラー/中上貴晶) 214周
5位:#7 YART-YAMAHA (ブロック・パークス/野左根航汰/マービン・フリッツ)212周
6位:#104 Honda Dream Racing(小山 知良/岩戸 亮介/山口 辰也) 212周
7位:#12 ヨシムラスズキMOTULレーシング(津田拓也/ジョシュ・ブルックス/シルヴァン・ギュントーリ) 212周
8位:#22 Satu HATI. Honda Team Asia(ディマス・エッキー・プラタマ/ザクワン・ザイディ/ラタポン・ウイライロー) 211周
9位:#03 MotoMapSUPPLY FutureAccess,(青木宣篤/ジョシュ・ウィータース)
10位:#72 Honda Dream RT 桜井ホンダ(水野 涼/ジェイソン・オハローラン/ジェイミー・スタファー) 211周

Photo & text :Toshiyuki KOMAI