2018全日本ロードレース第2戦 鈴鹿 公式予選&決勝レース1

2018/04/22

中須賀克行、驚愕のコースレコード更新!前人未到の24秒台でポール獲得、さらにポール・トゥ・ウィン!2位に高橋巧、3位に野左根航汰。

全日本ロードレース第2戦「NGK SPARK PLUGS SUZUKA 2&4 RACE」の公式予選と決勝レース1が開催された。

中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が公式予選でとんでもないタイムをたたき出した、前人未到の2分5秒を切る2分4秒875!もちろん自身が持つコースレコードを更新した。決勝レース1でも圧倒的な速さで優勝を飾る。決勝レース1の2位には今年ワークスとして復活したTeam HRCの高橋巧、そして3位には中須賀のチームメイト:ヤマハファクトリーの野左根航汰が表彰台に登った。

今大会も2レース制のため、決勝レース1のグリッドは、各ライダーのベストラップタイムにより決定する。 決勝レース2のグリッドは、各ライダーのセカンドラップタイムにより決定する。Aグループ、Bグループに分かれて実施された公式予選、Aグループは朝8:40にスタート。さすがに空気は冷たく陽も差していないので寒く感じた。そんなコンディションの中でいきなり中須賀がコースレコード更新!しかも誰も踏み入れたことのない4秒台の2分4秒875。

ホンダのワークスチームTeam HRC高橋巧の背後に中須賀がピタリとついて走行を重ね、5周目に5秒台に入れ、終盤の10周目に2分5秒465までタイムアップを果たし、2番グリッドを獲得した。

Aグループの予選では、4秒台の中須賀、5秒台の高橋、2分6秒188の渡辺一馬(Kawasaki Team GREEN)のトップ3。Bグループの予選がスタートしても6秒台を切るライダーが出なかったが、最後の最後に津田拓也(ヨシムラスズキMOTULレーシング)5秒台に飛び込んできた。2分5秒989、これで津田が渡辺一馬を逆転して3番グリッドを獲得した。

予選4番手に渡辺一馬:2分6秒188、5番手野左根航汰(YAMAHA FACTORY RACING TEAM):2分6秒221、6番手渡辺一樹(ヨシムラスズキMOTULレーシング)2分6秒769、7番手秋吉耕佑(au・テルルMotoUP RT)2分06.815、、8番手高橋裕紀(MORIWAKI MOTUL RACING)2分7秒236、9番手清成龍一(MORIWAKI MOTUL RACING)2’07.408、10番手加賀山就臣(Team KAGAYAMA)2分7秒456の上位10台。

午後2時45分、18周による決勝レース1がスタート!

ホールショットは高橋巧が奪う。渡辺一馬、中須賀克行と続いて1コーナーに進入、続く2コーナー立ち上がりで渡辺一馬が高橋巧のアウト側から並びS時入口のインからトップに浮上、中須賀も渡辺に続いて高橋巧をかわして2番手に浮上する。その後ろに予選8番手スタートの高橋裕紀、野左根航汰、秋吉耕佑、渡辺一樹と続く。ダンロップコーナーで秋吉がコースアウト、すぐにコース復帰するも大きく順位落とす。

オープニングラップは、渡辺一馬、中須賀、高橋巧、野左根、高橋、渡辺一樹、加賀山就臣、水野涼、清成、前田恵助(YAMALUBE RACING TEAM)の上位10台。

渡辺一馬、中須賀、高橋巧、野佐根、渡辺一樹の5台がひとつのパックとなって先頭集団を形成、レース中盤まで団子となって推移する。中須賀は背後から渡辺一馬の動きをみて前に出るチャンスを伺う。

レースが動いたのは14周目。デグナー出口の立ち上がりから110Rで中須賀が渡辺一馬をかわしてトップに浮上する。

「スタートが決まれば自分が前に出ようと思っていたけど渡辺一馬選手が前に出て、良いペースで走っていたので後ろについた。自分が抜きやすいポイントで抜けば後ろも反応すると思ったので敢えて抜きにくい場所で抜こうと考えていた」という中須賀、渡辺一馬のほんの一瞬のミスを逃さず前に出た。

中須賀が動いたのをみた高橋巧も反応する。スプーンで渡辺をかわして2番手に浮上、中須賀についていく。「スタートが決まったけど渡辺一馬選手が凄い勢いで抜いていったのでしばらくは後ろから渡辺一馬選手と中須賀選手の動きを見ていた。中須賀選手が絶対に前に出るはずだからその時に備えていたけれど中須賀選手が前に出た時に自分がミスしたため差を一気に広げられてしまった」と高橋巧。

 トップに立った中須賀、ここでペースを上げる。「午前中の予選からは予想以上に路面温度が上がってタイヤのフィーリングが変わってしまい、プッシュすると切れ込むようになったけれど最後まで集中して走った」という中須賀、それでもトップに出た翌周の15周目にファステストラップの2分6秒377を出すと2分6秒台を連発、そのままトップチェッカーを受ける。これで昨シーズンから数えて7連勝、今シーズンは3回目のポール・トゥ・ウィンを達成する。2位には高橋巧が入った。

 渡辺一樹、渡辺一馬、野左根航汰の激しい三つ巴の3位争いは最終ラップまでもつれ込んだ。渡辺一樹が14周目のシケインで3番手に浮上。15周目のシケイン、野左根がレイトブレーキングでアウト側から渡辺一馬をパス、さらにオーバースピードで膨らんだ渡辺一樹のインを刺して一気に2台パスして3番手に浮上する。

今度は渡辺一樹が16周目の裏ストレートから130Rで野佐根をパスして3番手に浮上、渡辺一樹、野左根、渡辺一馬の順でファイナルラップを迎える。2コーナーで野佐根が渡辺一樹のインを突いて3番手浮上、バックストレートで野左根のスリップストリームから抜け出た渡辺一樹、130Rでオーバーラン、その間に渡辺一馬が前に出て決着がついた。3位野佐根、4位渡辺一馬、5位渡辺一樹。そして6位にはオープニングラップのオーバーランで34位まで順位を落とした怒濤の追い上げをしてきた秋吉耕佑が入った。

ヤマハ、ホンダのワークスが占めた表彰台。明日のレース2は、今日よりも路面温度が低い午前中に行われる。どんな決勝レースになるのだろうか。

全日本ロードレース開幕戦「NGK SPARK PLUGS SUZUKA 2&4 RACE」の決勝レース1上位10位は以下の通り。

優勝:#21 中須賀克行YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2位:#1 高橋巧Team HRC
3位:#5 野左根航汰YAMAHA FACTORY RACING TEAM
4位:#11 渡辺一馬Kawasaki Team GREEN
5位:#26 渡辺一樹ヨシムラスズキMOTULレーシング
6位:#090 秋吉耕佑au・テルルMotoUP RT
7位:#12 津田拓也ヨシムラスズキMOTULレーシング
8位:#72 高橋裕紀MORIWAKI MOTUL RACING
9位:#75 前田恵助YAMALUBE RACING TEAM
10位:#71 加賀山就臣Team KAGAYAMA

Photo & text : Toshiyuki KOMAI