レース2。J-GP2クラスは涙の優勝、関口太郎、J-GP3クラス:岡谷雄太、ST600クラス:岡本裕生
全日本ロードレース第5戦in 筑波。3クラスとも手に汗握る素晴らしいレースだった。J-GP2クラスは関口太郎が涙の優勝、J-GP3クラスは岡谷雄太が予選16番グリッドからの優勝、ST600クラスは岡本裕生が前戦SUGOに次ぐ貴重な優勝。
J-GP2クラス決勝レース2のスターティンググリッドは、ポールポジション、岩戸亮介(Team髙武RSC)、2番グリッド岩﨑哲朗(OGURA CLUTCH with RIDE IN)、3番グリッド関口、4番グリッド尾野弘樹(ミクニテリー&カリー)、5番グリッド伊達悠太(KIMA Racing)、6番グリッド名越哲平(MuSASHi RT HARC-PRO. )。関口が絶妙なスタートでホールショットを奪う。岩戸、岩﨑と続いて1コーナーに進入する。
オープニングラップは関口が制し、以下、岩戸、岩﨑、尾野、作本、名越、榎戸、三原壮紫(TONE RT SYNCEDGE4413)、伊藤勇樹(伊藤レーシング)、KUBO KEMINTH(伊藤レーシング)の上位10台
関口と岩戸、岩﨑の接近戦、2周目の差は0.090秒、ほぼ同時に3台コントロールラインを通過する。そして2周目の第2シケインで岩戸が関口をかわしてトップに浮上する。トップ争いはこの3台に絞られると思いきや、作本、小野、名越までの6台がパックとなる。
トップ2台から岩﨑が少しずつ遅れ始める、そこを逃さずと作本がピタリと背後につける。3周目の最終コーナーでイン側から岩﨑をパス、3番手に浮上する。Team髙武RSCの2台が関口を挟むカタチでプッシュするが、4周目に岩戸が57秒442のファステストラップ、関口も同じく4周目に5秒675のベストタイムを刻んでペースを上げ、58秒台の作本との差を広げ始める。
トップ2台が抜け出してレース1同様に岩戸と関口の一騎打ちとなる。岩戸は関口より約コンマ2秒速いラップタイムで関口との差を広げたが、レース折り返しの10周目から関口がペースを上げる。58秒1の岩戸に対して57秒台の関口、その差がコンマ5秒から11周目には0.220秒差まで詰め寄る。そして16周目の第2ヘアピン、僅かに膨らんだ岩戸のインを突いて関口がトップ浮上!ファイナルラップで岩戸が真後ろに迫りテール・トゥ・ノーズの白熱のバトル、最後までインを閉めて守り切った関口が見事優勝!ウィニングランでは堪えきれず涙の走行、嬉しさを表していた。岩戸は一歩及ばず2位、3位に作本が入る。
4位岩﨑、5位名越、6位尾野、7位伊達、8位三原、9位KUBO KEMINTH 、10位石塚健(will-raise racing RS-ITOH)の上位10台であった。
J-GP3クラス決勝レースは波乱のスタートとなった。スタート直後の1コーナーで高杉奈緒子、岡崎静夏、長谷川聖、野澤秀典が絡む多重クラッシュが発生、赤旗中断となる。
13周に減算された決勝レースのホールショットを奪ったのはポールポジションの古市右京(KTM・ASPIRATION RACING)、埜口遥希(56RACING)、小室旭(Team P.MU 7C MIKUNI)と続く。第2ヘアピンで埜口がトップに浮上、しかしストレートが速いKTMの古市が抜き返してオープニングラップは古市が制する。序盤は古市と埜口の激しいトップ争いが展開される。
その後方からヒタヒタと迫ってきたのが岡谷雄太(MORIWAKI CLUB)。オープニングラップは予選16番グリッドから一気に6番手までジャンプアップ、4周目には3番手、そして7周目にはついにトップに浮上する。中盤から後半は岡谷、埜口、古市のテール・トゥ・ノーズ、サイドバイサイトの超接近戦。そのまま最終ラップまでもつれ込む。第1ヘアピンで埜口がトップに立つ、しかし第2コーナーで岡谷が奪い返す。バックストレートは3ワイドで最終コーナーに進入、埜口が岡谷のインに刺し込むが出口で僅かに膨らむ、そのインをコンパクトなラインで立ち上がった岡谷がトップチェッカー!埜口との差は「0.000秒」!最後まで白熱したバトルであった。3位には悔しい古市が入った。
最後の決勝レースST600クラス。ホールショットはポールポジションの長尾健吾(善光会TEAMけんけん+BEE)が奪う。岡本裕生(51ガレージチームイワキ)、小山知良(日本郵便Honda Dream)と続く。「レース1の反省から早めにトップに立って逃げ切ろう」と考えていた岡本が4周目の1コーナーでインから岡本がトップに浮上。さらに2番手の長尾の背後にピタリとつけて揺さぶる小山が7周目の1コーナーでかわして2番手浮上。
岡本、小山、長尾、國峰啄磨(日本郵便Honda Dream)、上和田拓海(TEAM PLUSONE)、の5台による先頭集団。9周目の1コーナーで國峰と上和田が一気に長尾をパス、3番手、4番手に浮上する。岡本は単独トップ走行、小山、國峰も追うがそれぞれ単独走行となりそのままチェッカー。岡本は前戦SUGOに続き今季2勝目を挙げる。2位に小山、3位に右手骨折のケガを押して出場した國峰が入る。4位には今大会で引退、秋からはオートレースに転向する上和田が入る。チェッカー後、岡本を祝福に行く上和田。たまらず岡本は涙した。レースで初めて泣いたそうである。
全日本ロードレース第5戦in 筑波 決勝レース1 各クラス上位10位の結果は以下の通り。
<J-GP2クラス>
優勝:44 関口 太郎SOX Team TARO PLUSONE
2位:#4 岩戸 亮介 Team髙武RSC
3位:#16 作本 輝介 Team髙武RSC
4位:#70 岩﨑 哲朗 OGURA CLUTCH with RIDE IN
5位:#634 名越 哲平 MuSASHi RT HARC-PRO.
6位:#392 尾野 弘樹 ミクニ テリーアンドカリー
7位:#64 伊達 悠太 KIMA Racing
8位:#71 三原 壮紫 TONE RT SYNCEDGE4413
9位:#10 KUBO KEMINTH 伊藤レーシング
10位:#7 石塚 健 will-raise racingRS-ITOH
<J-GP3クラス>
優勝:#61 岡谷 雄太 MORIWAKI CLUB
2位:#62 埜口 遥希 56RACING
3位:#3 古市 右京KTM・ASPIRATION RACING
4位:#4 中島 元気 TEAM SRS-Moto
5位:#99 坂田 和人 Mistresa・MuSASHi sc./TC
6位:#42 鈴木 光来 MORIWAKI CLUB
7位:#71 小室 旭 Team P.MU 7C MIKUNI
8位:#13 長谷川 聖 CLUBY’s&
9位:#12 山本 恭裕 チームライフ・ドリーム北九州
10位:#41 宇井 陽一 41Planning
<ST600クラス>
優勝:#51 岡本 裕生 51レージチームイワキ
2位:#230 小山 知良 日本郵便HondaDream
3位:#55 國峰 啄磨 日本郵便HondaDream
4位:#40 上和田 拓海 TEAM PLUSONE
5位:#16 長尾 健吾 善光会TEAMけんけん+BEE
6位:#11 亀井 雄大 Honda Suzuka Racing Team
7位:#57 奥田 教介 Team MF & Kawasaki
8位:#9 南本 宗一郎 AKENOSPEED・YAMAHA
9位:#97 佐野 優人 BATTLEFACTORY
10位:#18 杉山 優輝 MOTOBUM HONDA
photo & text :Toshiyuki KOMAI