中須賀克行が圧巻のポールポジション。レース1は赤旗中断で2レース制に。勝ったのは岡本裕生!今季2勝目。2位中須賀、3位水野涼

2024/09/08

中須賀克行が圧巻のポールポジション。レース1は赤旗中断で2レース制に。勝ったのは岡本裕生!今季2勝目。2位中須賀、3位水野涼

1分46秒962、自身の持つコースレコード(1分46秒306)に迫る驚きのタイムを叩き出した中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が圧巻のポールポジションを獲得。昨日のタイムより約2秒も速い。マシンの合わせ込みと路面コンディションが良くなったことが重なった。

しかし予選終盤に登りセクションの右コーナーでまさかの転倒。幸い怪我はなかった。「ニュータイヤで出て気合を入れ過ぎたみたいです。決勝前に絶対にやってはいけないことをしてしまい反省しています」中須賀の転倒は珍しい。

2番グリッドは岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)1’47.046。中須賀に追いつこうと終盤までプッシュするが僅かに届かず。「中須賀さんがあんなタイムを出すとは驚きました。自分も2回目でタイムアップできましたが一歩及ばすでした」と言う岡本も昨年のポールタイムを上回る。3番グリッドは野左根航汰(Astemo Honda Dream SI Racing)1’47.735。そして4番手に名越哲平(SDG Honda Racing)がつける、1’48.330。名越も昨日から約2秒のタイムアップ。5番手に水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)もてぎでは好調であったが初めてのオートポリスでは合わせ込みに苦労しているようだ。

予選から4時間後に決勝レース1がスタート!

ホールショットは中須賀克行が奪う。岡本、野左根と続いて1コーナーに侵入する。岩田悟(Team ATJ)、名越哲平(SDG Honda Racing)も好スタートを切り、第1ヘアピンでは長島哲太(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)岩田のインをついて5番手に浮上する。水野はスタートで出遅れ7番手。スタート直後の動きが速い野左根がファイナルスタンドコーナーでズバッと岡本のインに切れ込み2番手に浮上。オープニングラップは中須賀が制し、野左根、岡本、名越、長島、水野、岩田、津田拓也(AutoRace Ube Racing Team)、高橋巧(日本郵便Honda Dream TP)、伊藤和樹(Honda Dream RT桜井ホンダ)の上位10台。

2周目終了直前に野左根にジャンプスタートでライドスルーペナルティが科された。その直後、3周目の1コーナーで中須賀を捕らえてトップに浮上する。4周目にペナルティ消化で一気に19番手まで順位を落とす。「自分自身では全く自覚はありません」と納得がいかない野左根。

これでトップに立った中須賀に岡本が迫り、際どいところで勝負を仕掛けるが抜くことができない。「路面コンディションが変わってしまいペースを上げることができませんでした」と岡本。中須賀との接戦を続ける。

「リズム良く乗れていたのですが、レース1は予選よりも路面コンディションが悪くなっていたのでペースを上げるのが厳しかったです」と中須賀。しかししっかりと岡本を抑える。

「赤旗前のレースではついていくのが精一杯で仕掛けることができませんでした。あれ以上タイムを上げられたらついていけませんでした」と岡本。

スタートで出遅れた水野が名越の後ろ4番手まで追い上げてきた。そして7周目のT3で名越をとらえて3番手まで浮上。「金曜日の走行で試せなかったセットを予選でトライしたのですが自分たちの思うような結果とはなりませんでした。決勝に向けてさらにセットを変えたのですがスタートで出遅れ、トップ2に追いつくまでに時間がかかってしまいました」

「但、予選から変えたセットはいい方向に向かっていたのでまたワンステップ上がれたかなと言う実感はあります」

と、ここで赤旗中断。長島が転倒した。

残り8周の超スプリントレースの開催がアナウンスされた。7周終了時点の順位のグリッドで第2レースがスタート。

ホールショットは岡本が奪う。中須賀、名越、水野と続いて1コーナーに進入する。第2ヘアピンで中須賀がトップに、水野が3番手にそれぞれ浮上する。オープニングラップは中須賀が制し、岡本、水野、名越、 16番グリッドからスタートした野左根が5番手まで浮上してきた。高橋、岩田、伊藤、関口太郎(SANMEI Team TARO PLUSONE)、津田の上位10台。

2周目の第2ヘアピンで岡本が中須賀のインをついてトップ浮上、しかしファイナルスタンドコーナーで中須賀が岡本のインにねじ込みトップに浮上、バチバチのトップ争いを展開する。その約1秒後ろに水野が単独走行、さらに後ろには野左根が4番手に浮上してきた。

激しいトップ争い、4周目の1コーナーで岡本がアウトから仕掛ける。中須賀が抑えるが立ち上がり重視のラインを取った岡本が2コーナー進入で中須賀のインを突いてトップに浮上する。ここで岡本がペースを上げる3周目に1分47秒台に入れると4周目には1分47秒752のファステストラップをマークする。対する中須賀は1分48秒3、徐々に2台の差が開いていく。

「レース1からレース2に向けてセッティングを変えました。ぶっつけ本番の賭けに近かったのですが当たりました」岡本のコメント通り中須賀との差はどんどん広がっていく。岡本がチームに対して「イメージはある。セットを変えたい」と申し出た。チームは岡本を信じてセッティングを変えた。臨機応変にライダーの要望に応えることができるのもワークスチームの強みだ。

そのまま岡本が独走でチェッカー!今季2勝目を飾る。2位に中須賀、3位に水野。

「第2レースではラップタイムが約1秒上がりました。セット変更を受け入れてくれたチームに感謝です」

2位は中須賀。「自分たちにできることは全てやり切った結果、岡本選手が一歩上だった。アベレージの持ちタイムに追いつきませんでした。

3位は悔しい水野。「車体がまだ煮詰まっていない感じです。やれることを全て出し切っての状態ではなく、走る度にマシンの理解度が深まる中で確実に進化はしています。さらにコーナーが連続する後半セクションへの対応ができれば他のサーキットでも対応可能なので今後のマシンセットに大きな影響を与えてくれると前向きに考えています。

明日はレース2が開催される。残暑厳しそうだが晴天となりそうだ。

全日本ロードレース第6戦 SUPERBIKE in KYUSHU 決勝レース1 上位10台は以下の通り。

優勝:#2 岡本 裕生 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2
2位:#1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
3位:#3 水野 涼DUCATI Team KAGAYAMA
4位:#32 野左根 航汰 Astemo HondaDream SI Racing
5位:#33 高橋 巧 JAPAN POST HondaDream TP
6位:#4 名越 哲平 SDG Honda Racing
7位:#9 伊藤 和輝 Honda Dream RT SAKURAI HONDA
8位:#6 津田 拓也 AutoRace Ube Racing Team
9位:#10 岩田 悟 Team ATJ
10位:#12 関口 太郎 SANMEI Team TARO PLUSONE

Photo & text:Toshiyuki KOMAI