いつもと様子が違う2020年シーズンイン。合同テスト開催

2020/03/11

いつもと様子が違う2020年シーズンイン。合同テストを鈴鹿サーキットで開催

毎年恒例の2020年シーズン開幕前合同テストが三重県の鈴鹿サーキットで開催された。しかし、新型コロナウィルス感染拡大の影響でホンダ系チームが参加を自粛、YAMAHA FACTORY RACING TEAM、YAMALUBE RACING TEAM、Team KAGAYAMA、の3チーム:5台の異例のテストとなった。

前日まで降り続いた雨は夜には上がり、朝から快晴となったサーキット。しかし、路面温度が上がらずウエットパッチ、川がところどころに残るコンディション。9:00〜10:00の走行はコースコンディションの確認で終わる。

12:45〜13:45の走行は完全ドライ。2020モデルのマシンで1時間走り込んだ。トップタイムは中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)2分7秒027、2月のセパンでマシンのシェイクダウンを行っておりサーキット走行は今回が2回目。今年のマシンは昨年のパッケージの進化版だと言う。2020年から導入される新しい排ガス規制「EURO5」への対応と電子スロットルが加わった。「EURO5」対策がプラスに出るか、マイナスに出るか、はこれからのテストで判断するとのことだ。

2番手タイムは同じくヤマハファクトリーの野左根航汰、2分7秒220。「トップタイムで締めくくれると思っていたのですが、最後の最後に中須賀さんに抜かれました…(笑)」ワークス4シーズン目の野佐根。中須賀と言う大きな山を越えるべく勇往邁進している野佐根。今年は勝負の年となるだろう。

3番手タイムはヤマハの若手育成ユースチームYAMALUBE RACING TEAMの前田恵介。2分8秒462。ユースチーム3年目の前田。初年度はケガで棒に振ってしまったが昨年は完全復帰、徐々に成績を上げてきている。過去最高位6位の前田が今シーズン目指すは初表彰台。ニューマシンの感触も良さそうなので期待できる。

昨年の電撃ヨシムラレンタル移籍から今年は自らのチームに戻ってきた加賀山就臣(Team KAGAYAMA)。タイヤをブリヂストンにスイッチした。タイムは2分9秒154。長年ダンロップタイヤで闘ってきたチームにとってブリヂストンのデータは少ない。ブリヂストンからのアドバイスをもらいながら事実上のゼロからの組上げとなる。今回のテストはその確認の意味で走行を重ねた。

昨シーズンのJ-GP3チャンピオン:長谷川聖がTeam KAGAYAMAが新加入した。クラスはST1000。250ccクラスしか経験のない長谷川にとってなにもかもが初めての経験。自らTeam KAGAYAMAの門戸を叩いたと言う長谷川。加賀山からのアドバイスを真剣に聞き、実戦していた。

新型コロナウィルスの影響で4月4日〜5日に開催予定であった開幕戦「鈴鹿2&4レース」は延期となった。第2戦は4月25日〜26日、ツインリンクもてぎで開催される。それまでには収束してレースが開催されることを祈るばかりだ。

Photo & text : Toshiyuki KOMAI