2021年シーズン開幕。特別スポーツ走行は中須賀克行、清成龍一、渡辺一樹のトップ3
2021年シーズンが栃木県のツインリンクもてぎで開幕した。新型コロナウィルス感染拡大で大幅に遅れた昨年とは違い当初の予定通りに開催される。前週に事前合同テストが行われたが今大会は木曜日の特別スポーツ走行からスタートした。
午前中25分間、午後25分間と短い走行時間の中で確認を続ける。総合トップは中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)先週の事前テストでハイサイド転倒、お尻から落ちてまだその痛みは残っている中で1分48秒571。ただ1人48秒台に入れた。
「先週よりは体調は良いです。チームがシートにクッションとなるストッパーを入れてくれたりポジションをアジャストしてくれているのでそれほど痛みはないですけど、やはり余計なところにチカラが入ってしまい疲れます。そんな状態でも48秒5というタイムはまずまずの出だしだと思います。決勝レースに向けたセットは決まりました。46秒8のレコード(タイム)を持っていますがそれは一発のタイム。アベレージで48秒前半で回れるように明日、明後日でマシンを造り込んでいきます」
2番手は清成龍一(Astemo Honda Dream SI Racing)1分49秒180。事前テストで昨シーズンには出てこなかった症状に悩まされた二日間となったが、その症状は治まらず原因も掴めないと言う。但、ここで原因追及に時間を費やすよりこの状態でどう上手く走れるか、を考えることに切り替えた。49秒1は先週のテストよりコンマ7秒速い。
「相変わらず原因不明のチャタや突き上げ・振動が出ています。恐らく原因は分からないのではと思います。原因を突き止めるよりも、今の状態でどうやって乗りこなしていくか、走り方を考えています。昨年も原因がわからない症状が出ていたときもありましたが“そう言うものだ”と思って乗っていました。今のこの状態ありきでセットアップを考えることにしました。明日は今日よりも走行時間が多いのでやれることもたくさんあると思います。決勝レースに向けてさらに詰めていきたいと思います。」
総合3番手は渡辺一樹(YOSHIMURA SERT MOTUL)1分49秒643。今シーズン、ヨシムラは世界耐久選手権:EWCへSERTとのジョイントでフル参戦する。そのため、全日本ロードレースはテスト開発を兼ねたスポット参戦となる。ルマンから帰国後の隔離のため前週の事前公開テストに参加できなかった渡辺だが、初日から3番手につけた。
「2本目はサスペンションのセットを変えて臨んだのですが合わずに1本目のタイムを上回ることはできませんでした。この間までこのマシンでルマンを走っていましたが全日本を走るのは昨年の最終戦以来です。路面コンディションは余り良くないと言われている中で49秒6はまずまずのタイムだと思います。このコンディションに合わせたセットアップを詰めているところです。今回の参戦は世界耐久に向けてパーツやセットアップの取捨選択の面が強いですがライダーとしてはもちろん勝ちに行きます。」
4番手には加賀山選手(Team KAGAYAMA)、5番手に濱原颯道(Honda Dream RT 桜井ホンダ)と続く。
全日本ロードレース開幕戦特別スポーツ走行の上位10台は以下の通り。
1:#7 中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 1’48.571
2:#2 清成龍一 Astemo Honda Dream SI Racing 1’49.180
3:#14 渡辺一樹 YOSHIMURA SERT MOTUL 1’49.643
4:#10 加賀山就臣 Team KAGAYAMA 1’49.853
5:#3 濱原颯道 Honda Dream RT 桜井ホンダ 1’50.105
6:#25 名越哲平 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda 1’50.181
7:#15 津田一磨 BabyFace POWERED by YOSHIMURA 1’50.519
8:#6 岩田悟 Team ATJ 1’50.727
9:#11亀井雄大 Honda Suzuka Racing Team 1’50.809
10:#18 秋吉耕佑 MURAYAMA.TJC.RT 1’51.138
Photo & text : Toshiyuki KOMAI