鈴鹿8耐合同テスト2日目。圧巻の速さの長島哲太。亀井雄大が連日2番手タイム。
鈴鹿8耐合同テスト2日目は、タイヤメーカーテストと鈴鹿8耐特別スポーツ走行が開催された。タイヤメーカーテストはEWCクラスとSSTクラスのみの参加。90分が2本。昨日まで走行していたST1000クラスは走行しない。特別スポーツ走行は昨日同様鈴鹿8耐参戦予定チームが有料で走行する。60分枠が2本。特別スポーツ走行はタイム計測はされない。
初日に続いて2日目もトップタイムは長島哲太(Team HRC)2分6秒249。午前中は好天に恵まれ気温も路面温度も上昇、加えて南からの強い風でマシンを振られるライダーが多く出た中でこのタイムをマークした。8耐仕様のワークスマシン。ヘッドライトも装備され鈴鹿8耐さながらの雰囲気を醸し出す。当然燃調も絞っていると予想される。それでこのタイムだ。マシンのポテンシャルもさることながら長島の速さが光る。
2番手タイムは亀井雄大(Honda Suzuka Racing Team)。2分7秒07。これは1本目の特別スポーツ走行でマークした。タイム計測がないのでタイヤメーカーテストのリザルトには掲載されない。亀井の2日目はセットの最終確認と微調整。それが済めばペアライダーの田所準と杉山優輝の走行時間を増やすために自らの走行を控えた。午前中は路温も気温も上昇、7月の全日本ロードレースに近い状況と判断して新品タイヤで臨んだが、6秒台に入れられず悔しがる。
「1本目が新品タイヤで2分7秒0。本当は6秒台に入れたかったです。全日本になれば中須賀選手がさらに上のタイムで来るでしょうから。タイヤメーカーテストの2本目はユーズドタイヤ7秒3まで行きました。15ラップ目に出しているのでレースラップくらいの周回をした後です。フロントタイヤはハードで出ていきました。7月の全日本ロードレースに向けては良い感じに詰まってきていると思います。あとはウィークに入ってからの調整で臨もうと思います。」
3番手タイムは浦本修充(S-PULSE DREAM RACING・ITEC)2分7秒297。浦本はスペイン選手権にフル参戦。レースの合間を縫って急遽テスト参加となった。海外レース参戦は大いに役立っていると言う。短時間でタイムアップを図るための走り方や考えが身に付いた。生形秀之は浦本の成長ぶりに驚くと共に期待を寄せている。まだチーム体制の発表はないが当然浦本の起用を考えるだろう。
「今回のテスト参加は急に決まりました。ブリヂストンもすごく久々でしたが割と早いタイミングでバイクにもタイヤにも慣れることができました。最終的にまあまあいいタイムを出せましたが、2分6秒台には入れたかったです。
スペイン選手権での経験は活きています。最初のペースを掴むことを心がけています。例えば走り出しが2分12秒とか13秒からのスタートだと、そこからタイムを詰めるのは難しいので最初に乗った時にペースを上げられるように意識して取り組みました。
来週にはスペインに戻ります。鈴鹿8耐に向けてもちろん良い感触を掴みましたがスペイン選手権に向けても収穫の多いテストとなりました。」
4番手は濱原颯道(Honda Dream RT 桜井ホンダ)2分7秒416。午前中は全日本仕様のバイクで走行。午後は鈴鹿8耐仕様のバイクで走行した。濱原は昨日の問題の対策をして本日の走行に臨んだ。
「午前中の走行はちょっとトラブルが出てしまいましたが最後に7秒4まで入れました。午後は大治朗選手と一緒に鈴鹿8耐仕様のマシンに乗りました。燃調を絞っているのでパワーとストレートスピードが全日本仕様に比べると厳しいのですが8秒9。でもまだ目指すところまで行ってないのでさらに詰めたいと思います。」
5番手はTeam KAGAYAMAの津田拓也。2分7秒443。津田はMotoGPマシンテストとST1000クラスを走る。ミシュラン、ダンロップを履いておりブリヂストンは久しぶりだ。だがすぐに勘を取り戻し2日目の最後に新品タイヤでマークした。開幕戦から悩まされてきたフロントのチャタリングについて解決の糸口を津田のアドバイスで見つけられた。7月のレースウィークに試すと言う。これで解決できればさらにレースに集中できる。
「自分の走行時間自体はそんなに多くはなかったのですが、まだまだマシンを理解しなくてはダメだというところと、理解できたかな、というところがあり全体的には参加できて良かったと思います。開幕戦からずっと抱えている問題を解決するのが第1優先のテストだと聞いていました。自分が乗ってもその症状は感じたので過去に経験した中でこういうアイテムがあったな、こうしたらいいんじゃないかなっていうことを伝えました。それが解決に向かってくれれば嬉しいです。」
「レースに向けてのヒントを見つけようと思って昨日の延長のテストでした。開幕から悩まされてきたフロントの跳ね、に関して津田選手がヨシムラ時代に経験したアイテムを聞いて、これならいけるかも、と言うところまで来ました。これが昨日だったら今日試せたのですが残念。でも7月のウィークが楽しみになりました。
津田選手も良いバイクを渡して、気持ちを乗せればすごく速いという事も確認出来たことはポジティブに考えています。」
6番手は名越哲平(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)まだまだブリヂストンタイヤの特性を掴み切れていないと言うが鈴鹿8耐を見据えて固めのタイヤで臨んだ。特にフロントを潰し切れていないが徐々にタイヤの特性が分かってきたと言う。
「今回鈴鹿8耐テストと言うより7月の全日本ロードレースに向けてのベース作りをしっかりとやる、というテストだったのでした。その中で、普段自分が使えなかったタイヤが使えるようにはなってきてるので、JSBマシンに少しずつ慣れてきてるのかな、と言う手応えはあります。タイムこそ伸びなかったですけど硬めのタイヤでライティングだったりセッティングだったりを長い周回を走行していろいろ試せたので、すごくポジティブに思っています。」
鈴鹿8耐 タイヤメーカー合同テスト 上位10台は以下の通り
1:長島哲太 Team HRC 2’06.249
2:亀井雄大Honda Suzuka Racing Team 2’07.07(手元計測)
3:浦本修充S-PULSE DREAM RACING・ITEC 2’07.297
4:濱原颯道Honda Dream RT 桜井ホンダ2’07.416
5:津田拓也Team KAGAYAMA 2’07.443
6:名越哲平MuSASHi RT HARC-PRO 2’07.742
7:秋吉耕佑KOUSUKE R TJC 2’07.814
8:岩戸 亮介KRP三陽工業RS-ITOH 2’08.044
9:渥美 心TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW 2’08.233
10:清成龍一Astemo Honda Dream SI Racing 2’08.488
Photo & text : Toshiyuki KOMAI