ポールポジションはTeam HRC。なんと2分4秒台!
2022年鈴鹿8耐の決勝グリッドを決めるトップ10クオリファイが開催された。本来ならトップ10トライアルが行われるはずだが、直前のフリー走行で赤旗が多発。さらに天候が不安定でいつ雨が降り出してもおかしくない状況。そのため、16時から40分間の計時予選に変更された。
Team HRCの長島哲太が計測2周目にいきなり2分4秒934!自身が前日の公式予選でマークした2分4秒942を上回った。それまでは2018年の公式予選でジョナサン・レイがマークした2分5秒108が最速だったが、長島はさらに縮めて前人未到の2分4秒台に突入してポールポジションを獲得した。
2番手はKawasaki Racing Team Suzuka 8Hのジョナサン・レイ。2分5秒149。ジョナサン・レイの前にアレックス・ローズがアタックするが2分6秒407。長島には追いつけなかった。セッション残り10分でジョナサン・レイがコースイン。昨日の公式予選では自身の走行時間帯(Rider RED)に雨が降ったり、止んだ後で路面はハーフウェット。タイムを刻むことができなかった。会場にいるお客様もジョナサンがどれくらいのタイムをマークするのか、に関心が高い。そんな声に応えるかのようにジョナサンの渾身のアタック。2分5秒149、途中でいくつか小さいミスをした、と言い、長島にわずかコンマ2秒届かなかった。
予選3番手はニッコロ・カネパ(YART – Yamaha Official Team EWC)の2分5秒981。鈴鹿8耐は毎年速度が速くなり8時間のスプリントレースと呼ばれるほどだ。そこで勝つためにトップチームはスペシャルなマシンを投入する。世界耐久選手権のレギュラーチームと鈴鹿8耐のみ参戦のチームでは差があったのだが世界耐久選手権にフル参戦している今年のYART YAMAHAは速い。
4番手はF.C.C. TSR Honda France (ジョシュ・フック)2分6秒204、5番手はSDG Honda Racing(浦本修充)2分6秒409。
今年の鈴鹿8耐は天候に翻弄されている。事前テストの8月2日(火)、3日(水)は気温39度にまで達する危険な暑さ。車検日の4日(木)から不安定な天候となり週間予報にはなかった雨マークが付き始める。木曜日は台風を思わせるほどのゲリラ豪雨と落雷。公式予選の金曜日は曇りベース。午前中の公式予選1回目のRider Blueで走行した長島哲太がいきなり2分4秒942をマーク。周囲の度肝を抜いた。事前テストから頭ひとつ抜き出ていると言われてきたTeam HRCが本領発揮。
Rider Yellowではニッコロ・カネパが2分5秒863と5秒台に入れる。アレックス・ローズが2分6秒204で続く。しかしRider REDの走行時間帯になると雨が降り出しコースはウェットに。雨が小降りの時にタイムを出したマイク・ディメリオ(F.C.C. TSR Honda France)の2分10秒556がベストタイム。ジョナサン・レイは2分22秒、渡辺一樹は2分21秒と全くタイムを出せなかった。午後からの2回目もRider REDの時間帯に大粒の雨が降り始めタイムアタックできず。
これにより108%ルールで予選通過できないライダーが多数出たが、不安定な天候によるものとの判断が降りて全員出場できることになる。そのため、金曜日の公式結果は夜遅くになっても出なかった。
EWC2連覇がかかっているYOSHIMURA SERT Motulは、トップ10トライアルに出場できず、予選結果は22位に沈んでしまう波乱の展開となった。
<ポールポジション:Team HRC 長島哲太記者会見コメント>
「素直に嬉しいというのが第一です。ですがトップ10トライアルがなくなってしまったのはちょっと寂しい気持ちもあります。トップ10トライアルでしっかり出れたらなという気持ちがあります。ですが最終的に明日ポールポジションからスタートできるというのは、とても大きなことだと思うので、とても満足しています」
<イケル・レクオーナ記者会見コメント>
「とても嬉しく思います。本当に彼(長島哲太)の走りはいつもめちゃくちゃ速いから、僕たちは本当に強いチームだと思う。僕自身も徐々に良いラップタイムも刻むことができると思います。明日は安定した良い天気のなかで、鈴鹿8耐を走り切り、そして優勝したいと思います。」
<高橋巧 記者会見コメント>
「鈴鹿8耐でポールポジションからスタートするのが初めてなので素直に嬉しいです。3年ぶりの鈴鹿8耐でしっかりトップ10トライアルが開催できればとは思っていましたが残念です。ですが、計時予選でテツ(長島)がいいタイムをすぐに出してくれたので、僕はリラックスして走れました。計時予選ではある程度のスピードを持って走れたかなと思っているので満足しています」
2022鈴鹿8時間耐久ロードレース トップ10クオリファイの上位10位は以下の通り
1:#33 Team HRC 2:04.934
2:#10 Kawasaki Racing Team Suzuka 8H 2:05.149
3:#7 YART – Yamaha Official Team EWC 2:05.769
4:#5 F.C.C. TSR Honda France 2:06.204
5:#73 SDG Honda Racing 2:06.409
6:#72 Honda Dream RT SAKURAI HONDA 2:06.564
7:#17 Astemo Honda Dream SI Racing 2:06.607
8:#25 Honda Sofukai Suzuka Racing Team 2:06.668
9:#37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM 2:06.897
10:#2 EVA RT 01 Webike TRICKSTAR 2:08.033
Photo: Toshiya Onishi
text : Toshiyuki KOMAI