鈴鹿サーキットファン感謝デー二輪合同テスト。スズキ編
今年開場60周年を迎える鈴鹿サーキット。毎年恒例のファン感謝デーが3月5日(土)、6日(日)に開催された。その翌日にファン感謝デーに参加したチーム・ライダーによる二輪合同テストが行われた。全日本ロードレース、鈴鹿8耐のカテゴリ混走で8チーム14人のライダーが走行した。
ヨシムラも二輪合同テストに参加。先日全日本ロードレースにフル参戦する発表がなされたが今回は鈴鹿8耐チームとしての参加。昨年EWCフル参戦初年度にして世界チャンピオンに輝いたヨシムラSERT Motulのマシンで走行した。世界チャンピオンを獲得したマシンが日本国内を走行するのは初。乗ったのはもちろん渡辺一樹。昨年は重要なマシン開発を担当した。
1本目はウェット路面だったので残り5分で確認のためにコースインしただけであった。午後の2本目はドライ。しかし気温も路面温度も上がらず冷たい風が吹き付けるコンディション。渡辺は2分09秒483の3番手につける。昨年の開幕戦もてぎ、ポールポジションを獲得、レース1:3位、レース2:2位と連続表彰台に上がった渡辺。その速さは誰もが認めるところだ。
「テストライダーとして自分が仕上げたマシンが世界チャンピオンを獲得した喜びは格別でした。もちろんチーム全体で勝ち取ったチャンピオンですがその一翼を担えたのはとても光栄に思います。」
「反面、自分が仕上げたマシンでレースで戦えない悔しさも正直ありました。そんな時に全日本ロードレースにフル参戦のお話をいただき、非常に嬉しく思います。やはり自分はレーシングライダーなので走って結果を残したい、と言う気持ちが強くあります。」
「世界選手権で勝ってきた百戦錬磨の加賀山選手が監督、と言うのも非常に心強いです。ライダーの目線はもちろんですが、チームを運営する目線もしっかり持っているので、“今のライダーにはチームとして何が必要なのか”をしっかり考えてくれると思います。」
「自分を走らせてくれた多くの方々の応援・ご協力に応えるためにもチャンピオンを獲らなくてはいけないし、勝たなくていけないと思っています。その良いプレッシャーの中でしっかりと結果にこだわって、自分のライダーとしての実力を100%出し切って王者中須賀選手に真っ向勝負をかけたいと思います。」
速さに定評がある渡辺に加賀山就臣の監督としての頭脳、世界チャンピオンを獲得したヨシムラのマシンと、舞台は整った。今シーズン、“ストップ中須賀“を担う中心人物になりそうだ。
Photo & text:Toshiyuki KOMAI