岡本裕生が圧倒的な速さで2連勝!2位:中須賀、3位:高橋巧が今季初表彰台!

2024/09/09

岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)に誰も追いつけなかった。持ちタイムの速さを活かして2位の中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)に4.465秒もの大差をつけて2連勝、今季3勝目を挙げた。しかもポール・トゥ・ウィン。これでポイントランキングも2位に浮上した。

全日本ロードレース第6戦 SUPERBIKE in KYUSHU 決勝レース2は18周で行われた。ホールショットは中須賀が奪う。岡本、野左根航汰(Astemo Honda Dream SI Racing)と続いて1コーナーに進入する。オープニングラップは中須賀が制し、以下、岡本、野左根、水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)、名越哲平(SDG Honda Racing)、岩田悟(Team ATJ)、長島哲太(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)、高橋巧(日本郵便Honda Dream TP)、津田拓也(AutoRace Ube Racing Team)、伊藤和樹(Honda Dream RT桜井ホンダ)の上位10台。

序盤から前に出て自分のペースで走りたい中須賀、蓋をされたくない岡本、二人の駆け引きが続くが4周目に岡本が中須賀をパスしてトップに浮上する。やはり今回のオートポリスは岡本のペースが速い。朝のフリー走行でも1分48秒台を刻み48秒426のトップタイムをマークしていた。

「スタートが決まったので前で後ろを抑える作戦で臨んだのですが、抑えられるタイムが(1分)49秒台では遅過ぎましたね。ブロックラインを通っていたつもりですがタイムの遅さが突き入る隙を生ませてしまいました」と中須賀。

岡本は中須賀をパスすると一気に48秒台にペースを上げて突き放しにかかる。「中須賀さんはバトルになると途端に強さを見せるので自分の持ちタイムがある時に前に出ようと考えていました。抜いてからしばらくは後ろを見ずにひたすら集中して自分のペースで走りました」

「中盤くらいまで喰らい付いて終盤にスパートをかけようと思いましたが、(岡本)裕生もこっちの作戦を見抜いていたようで早々にスパートをかけられて追いつくことができませんでした」

岡本と中須賀の差は徐々に広がっていく。

トップグループから約2秒後方では水野、名越、野左根、岩田による表彰台争いが展開されていた。5周目に野左根が3番手浮上、名越、水野、岩田と続く。

7周目の1コーナーで水野がオーバーラン、転倒を喫する。3ワイドで進入したものの行き場を失いゼブラ外側のグリーンに乗ってしまった。

「シンプルに自分のミスです。前のライダーに追突しそうになってしまい避ける場所がなくなってしまいました。でも表彰台争いを制したとしても3位でした。その位置は自分たちの走る場所ではないと思っているので今回の反省を活かして次戦岡山に備えたいと思います」

転倒したものの水野はコース復帰。ハンドルが曲がったままでもデータ収集のために最後まで走り切った。

これで表彰台争いは3台になった。10周目以降、名越と野左根が毎周順位を入れ替える激しい3位争いを展開。この中から岩田が次第に遅れていき、名越と野左根がバトルしている間に高橋巧が追いついてきた。そして16周目には名越と野左根を料理して一気に3番手に浮上する。

「シーズン当初からの課題でもあるのですがレース序盤にペースを上げられないので中盤以降に沈んでしまいます。今回のセットアップにレース中盤以降慣れてきたこともあり、周りがタイヤが垂れてきた時に逆に自分はペースを上げられることができました」

確かに11周目に1’49.187のベストタイムをマークすると49秒台中盤で周回、野左根や名越は49秒後半から50秒台。

迎えたファイナルラップ、岡本は中須賀をキッチリと抑えて4.465秒もの大差で今季3勝目、全日本では初めて2連勝を飾る。

「暑さの影響で路面コンディションが悪くなり48秒台のペースを維持するのに苦労しました。オートポリスではたまたま自分の走り方が合っていたから勝てましたが次戦以降同じことが起きるとは限らないですし、自分の中では改善点がまだまだたくさんあります。でも今までとは違うレース展開ができたことは非常にポジティブに捉えていますし、次戦に向けてしっかりと対策を考えたいと思います」

2位には中須賀。今回は岡本が速かった、完敗だと語った。

「(岡本)裕生が速かったです。あのペースにはついていけませんでした。自分の課題は見えているのでそこが解決すればもうひとまわり大きくなった自分を見せられると思います。岡山は自分が得意としているサーキットなので、今回の悔しさをバネにさらにしっかりと準備をしたいと思います」

3位には高橋巧。今季初表彰台。

「転倒は誰にでもあり得ることです。今回は水野選手、名越選手の転倒によって表彰台に登れたのは運がよかっただけだと思います。なかなかマシンのベースセットが決まらないので毎戦違うマシンに乗っている感覚ですが、チームがいろいろと対策を考えてくれているのでこれからも諦めずに戦っていきたいです」

全日本ロードレース第6戦 SUPERBIKE in KYUSHU 決勝レース2 上位10台は以下の通り。

優勝:#2 岡本 裕生 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2
2:#1中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
3:#33 高橋 巧 JAPAN POST HondaDream TP
4:#32 野左根 航汰 Astemo HondaDream SI Racing
5:#10 岩田 悟Team ATJ
6:#6津田 拓也AutoRace Ube Racing Team
7:#30 長島 哲太DUNLOP Racing Team with YAHAGI
8:#9伊藤 和輝Honda Dream RT SAKURAI HONDA
9:#14 児玉 勇太Team Kodama
10:#31佐野 優人KRP SANYOUKOUGYO RSITOH

 

※ST600クラス決勝レース中のアクシデントで芳賀涼大選手(NITRO WORK NAVI OGURA CLUTCH)が逝去されました。将来のある若者の早すぎる逝去は残念でなりません。謹んでお悔やみを申しあげます。
ご遺族皆様、関係者の皆様に深い哀悼の意を捧げます。 芳賀涼大選手の安らかなるご冥福を心からお祈りいたします。

Photo & text:Toshiyuki KOMAI