全日本ロードレースはいよいよ最終戦。鈴鹿サーキットでMFJグランプリとして開催される。チャンピオン争いは中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)、岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)、水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)の3人に絞られた。中須賀と岡本は僅か4ポイント差。水野は39ポイント差、2勝が条件となる。だからなのか、初日の水野はリラックスしていた。
「ウィークが4日間と言うのが大きいですね。走行時間の使い方がいつものウィークとは違ってきます。1日多いのでマインド的に少し余裕というかリラックスできます」
「事前テストがなかったのでどうかな、と思っていたのですが1本目の走行がすごくフィーリングが良かったです。タイムも2’06.314と良かったので、午後の2本目は”もしかしたら4秒台に入るんじゃない?“と思ってセットを変えましたが思うように伸びませんでした。詰めとしては今一つの初日でしたが、リザルト上ではトップタイムだったので素直に喜びたいですね」
「そんな時、いつもならネガティブに捉えるのですがやはり1日多いので“明日もう一度チャレンジできる”と言う気持ちの余裕があります。それにボクは2勝するしかチャンピオンの目はないので気負うものもありません。思い切り走るだけです。そんなこともありウィークの初日としてはとても気持ち良いです」
とリラックスムード。もちろん、チャンピオン争いを諦めたわけではなく虎視眈々と狙っているはずだ。鈴鹿8耐で走り込んだ鈴鹿。耐久仕様からスプリント仕様への変更はあるがデータは揃っている。やはり最終戦も水野涼から目が離せない。
総合2番手は中須賀、2’06.472。現在192ポイントでトップだがすぐ後ろに岡本が迫る。前戦岡山では珍しく「焦りが余計な転倒を生んだ」とコメント。「最終戦は変なしがらみを考えず目の前の勝利を目指す。バトルを単純に楽しみたい」と語っていた。得意な鈴鹿で思い切り走って欲しい。
総合3番手は岡本、2’06.524。チャンピオンが目の前に迫ってきた。オートポリス、岡山、と3連勝を飾り勢いが止まらない。絶対王者中須賀を追い込む岡本がどんな走りをするのか注目される。
総合4番手は野左根航汰(Astemo Honda Dream SI Racing)2’06.622。野左根までが2分6秒台。やはりこの4台がアタマひとつ抜け出ている。
全日本ロードレース第8戦鈴鹿 特別スポーツ走行 上位10位の結果は以下の通り
1:#3 水野 涼 DUCATI Team KAGAYAMA 2’06.279
2:#1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2’06.472
3:#2 岡本 裕生 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2 2’06.524
4:#32 野左根 航汰 Astemo HondaDream SI Racing 2’06.622
5:#33 高橋 巧 JAPAN POST HondaDream TP 2’07.259
6:#13 渥美 心 YOSHIMURA SERT MOTUL 2’07.330
7:#4 名越 哲平 SDG Honda Racing 2’07.519
8:#6 津田 拓也 AutoRace Ube Racing Team 2’07.546
9:#10 岩田 悟 Team ATJ 2’07.663
10:#9 伊藤 和輝 Honda Dream RT SAKURAI HONDA 2’08.242
Photo & text:Toshiyuki KOMAI